1月19日に読む本は、史上最高に面白いファウスト(中野和朗)

ドイツの作家ゲーテが書いた長編小説ファウスト。第一部が上演されたのが1829年1月19日です。

1829年1月19日は

ファウスト第一部が初演された日

有名な作品なだけあり、翻訳がいくつか出版されていますが、ここでは非常に読みやすい本を紹介します。

どんなお話か?

※「史上最高に面白いファウストに」もとづいて書いています。

知的探求に生涯を費やし、しかし満足するどころが、学問に絶望するファウスト。そのファウストを神とメフィストフェレス(悪魔)が賭けの対象とする。メフィストはファウストを篭絡するために、あの手この手を尽くしていく。

第一部

メフィストはファウストにあい、契約を結ぶ。「ファウストを満足させるようにメフィストが下僕として仕える。ファウストが満足し、「時よとまれ、汝は美しい」と言ったとき、メフィストはファウストの魂を奪う」というものだ。

メフィストはファウストを若返らせ、少女マルガレーテと恋に落ちるように仕向ける。ファウストはマルガレーテと交わることができたが、マルガレーテは誤って母を死に至らせてしまう。またファウストはマルガレーテの兄を殺してしまい、逃走する。さらにマルガレーテは、生まれてきた子供を殺してしまい、囚われの身に。ファウストはマルガレーテを救出に向かうが、マルガレーテは脱獄を拒む。

「ファウストとマルガレーテが結ばれ、満足する」というメフィストの目論見は失敗に終わる。

メフィストは悪魔だとバレないように変装しているのですが、マルガレーテは感覚で察知して、メフィストの思い通りにはならなかったですね。

最後、マルガレーテが逃げずに獄死を選んだのも、ファウストがメフィストに魂を奪われるのを防ぐためかもしれませんね。

第二部

第二部は皇帝に取り入るところから始まります。もちろん、メフィストの魔力が活躍します。

そして、皇帝がパリスとヘレナを見たい、と言い出したため、ギリシャ神話の世界にタイムスリップします。(ギリシャ神話ではパリスは美男子、ヘレナは美女)

ファウストはヘレナに恋をします。

初めてファウストを読んだとき、ギリシャ神話の予備知識がなく、この辺りは理解しにくかったです。

ファウストとヘレナの間には息子が生まれますが、その息子は山で墜落死してしまいます。またしてもメフィストはファウストを満足させることに失敗します。

ギリシャ神話の世界から戻ったファウストは、皇帝のピンチを救い、恩賞を得ます。そして自分のユートピアを建設しはじめます。

四人の灰色の女「不足」「過ち」「憂い」「貧乏神」が現れます。 「憂い」 により、ファウストは失明します。失明してもなお、ファウストは建設を続け、人夫に作業をさせます。しかし実は、人夫たちは墓穴を掘っているのでした。メフィストの企みにファウストは気づいていません。

そして、とうとう、ファウストは、「時よとまれ、汝は美しい」と口にします。ファウストは息絶えます。メフィストはファウストの魂を取り出し、地獄へ連れて行こうとします。

しかし、そのとき、マルガレーテが現れ、ファウストの魂を天国へと導きます。メフィストは悔しがります。

ファウストのハチャメチャな人生、面白かったです。

しかし、欲望の限りを尽くしたファウストが、最後に救われるのは不思議な感じですね。

予想できないというか、楽観的過ぎる結末でしたね。

凄く読みやすく、わかりやすく書かれた本でした。キリスト教やギリシャ神話など、ヨーロッパの人にとっては自明でも日本人にはあまりなじみのない部分について説明があるのが嬉しかったです。長編の原作「ファウスト」をいきなり読むより、この本をまず読んでから原作に挑戦するのが良いように思いました。




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