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1本60円のアイスを売って、会社の価値を4倍にした話・飯塚周一著の次に読む本は

あらすじ

定時制高校を卒業し、新潟のローカル企業「セイヒョー」に営業職として入社した飯塚周一氏。この27年後には、会社の命運を揺るがす決断をする、令和の社長となっていた。

WB(ウェルスブラザーズ)との資本提携、SNSを用いた斬新なCMで販路拡大等が功を奏した形となり、会社の価値が4倍に。

飯塚氏がどういう生い立ちで、セイヒョーで営業の仕事をしながら学んだこと、社長としての姿勢が記されている。

ローカル企業の抱える問題や地域のしがらみを越え、先人に学び、社内に新たな空気を吹き込んだ飯塚氏。その苦悩の戦略は、職種や立場を越えてこの時代を生きる人へ一石を投じている。

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時代は令和に突入し、老舗の企業が生き残るために伝統の継承だけでなく、SNS進出など新しい戦略で戦おうとしているのを時折目にするようになりました。

本書の舞台である新潟のローカル企業・株式会社セイヒョーは会社の価値を4倍にする偉業を成し遂げています。

飯塚氏は役員になる前から、商品の並べ方ひとつを取っても「なぜこの並べ方でこの商品が売れたのだろう?」「もっと良い方法はないだろうか?」と常にアンテナを張って、目的地に着いてからも立ち止まらなかったのです。

また、当事者意識が非常に強く、理想としては今も社員がそうあって欲しいと語っています。早くから当事者意識を持ち、常に考えながら会社の経営を見ていたので社長になってからの行動力が群を抜いていたのではないでしょうか。

「今の時代に同じやり方は通用しない」「これは昭和的なノウハウ」

本書の随所で、飯塚氏が今の時代を意識した発言をしています。これは飯塚氏が強くそれまでの流れを理解した上で、今後を意識している証拠だと感じました。

時代の潮流が来たら、大きな転換と人間としての基本姿勢を見直すことが大切。つまり改革をしながら基本に立ち返る、真逆の行動ができるかどうかが命運を分けたのかなと考えました。

次に読む本

奇跡の本屋をつくりたい・久住邦晴著

経営が危ぶまれてきた書店が閉店を決めてから一念発起。「今までの非常識」にヒントを得て、「誰もやらなくて、面白いことをやってみよう!」から始まったくすみ書房再生の道のりが描かれた実話。

店主の久住氏は一書店を越えて、最終的には北海道の書店組合、全国の書店、大学教授やマスコミと手を組んでフェアを開催。「中学生(高校生、小学生ものちに登場)はこれを読め!」と称した、年齢に応じたおすすめ本を並べた棚を設置。「なぜだ?売れない文庫フェア」は売れていないがために売られていない良書を集め、夕方店内での朗読会も始めた。ブックカフェ「ソクラテスのカフェ」をオープンし、本や飲食だけではなく大学教授の談義や各種教室、読書会も行った。

しかしながら、周辺の大型店出店で経営は再度苦境に立たされる。何度も起死回生を果たしながら最後には惜しまれながら閉店してしまう。それでも再出発を目指していた中、ついに店主は病魔に侵され2017年に帰らぬ人となる。

遺稿をもとに出版された、「くすみ書房」の記録です。

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地方のお店の苦境の現実に胸が痛くなる内容でした。

時代が変わり、多くの人が大型店やネットショッピングで買い物をするようになったからこそ、地方の書店の存在意義を改めて感じました。

「この本はおすすめ。どう?」「この本読んでみて。世界の見え方が変わるよ」、店主のそんなつぶやきが聞こえてきそうなこだわりの棚。

図書館とは違う視点でセレクトされた本。

コミュニティースペース、文化の発信地。

大型のチェーン店では難しい、地域の本屋さんだからこそできる大切な役割をたくさん担ってくれていたのだなと感じます。本の購入に限らず、今一度自分の消費行動を見直したくなりました。

店主の久住氏の、本とご自分のお店を愛する気持ちと並外れた行動力には勇気をもらえます。賛同してくれる人をたくさん得てイベントやフェアを開催し、経営が再び苦境に立たされるとアイディアや資金面の援助があったり、全国からいろんな形で応援をしていただく。くすみ書房が地域の書店を越えて愛された何よりの証拠です。くすみ書房は閉店してしまいましたが、これは偉大なる足跡です。影響力だけではない、久住氏の人間力を感じました。結局、人を動かすのには人間力以上のものはありません。

ありし日のくすみ書房に出会ってみたかったです。

本との出会いはもちろん、素敵な書店との出会いもきっと、人の人生を大きく変えるのだと思います。

おススメポイント

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大型のショッピングモールで用が事足りる今において、地方の企業のあり方やどのような努力がなされているのかに興味があり本書を手に取りました。

「もも太郎」は、関東の公共施設で新潟のローカルアイスとして販売されているのを見て名前を知っていました。近年、全国津々浦々のローカル商品が売られているのを目にするのは珍しいことではありません。だからこそ、「あってもいいけどなくてもいい商品」を置いてもらうことには人間力と会社のイメージが何より大切。初めの一歩はシステムやITの力は関係ありません。人間力とは挨拶や整理整頓など基本的なことを徹底できること。そして会社はそれをお互いに波及していき、背筋を伸ばし合う組織であるべきで、それこそが会社を存続させていく何よりの秘訣なのだと感じます。

常に川の水が流れていなければ澱んでいくように、セイヒョーも古い慣習に縛られて停滞が生じ、会社内に澱みが生まれていたようです。同じように、くすみ書房も従来の経営では立ちいかなくなっていました。2冊の共通点は、地方の企業(お店)を大胆な施策で大きく盛り上げたことです。老舗となるとなかなかそれまでの伝統と別離を図るのは難しいかもしれません。しかし世の中が変わっていく以上は、自らも絶えず変化し続けることを誰しも意識していくべき時代なのだと感じました。そしてそこに横のつながりがあれば、スピードもクオリティーも格段に増すことができる、とこの2冊が証明してくれています。

この記事を書いた人

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読書と旅(散歩)を生きがいにする駆け出しライターです。

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