あらすじ
避難訓練で全校生徒が校庭に集合している中、学校の人気教師・奥澤が屋上から飛び降りた。
彼が担任を務めるクラスの黒板には
「私が先生を殺した」のメッセージが…
自殺か他殺か?
奥澤の死の真相に関わる生徒が各章の語り手となり、事件の全貌が徐々に明らかになっていくが…
それぞれの登場人物からの視点で構成されており避難訓練中のグラウンドのシーンで交差する。
全校生徒の前で自殺した人気教師の奥澤先生。snsが絡み本当の姿が見えない状況で、人は何を信じるのか。どうして、と悔やんだ時はもう遅い。身近な先生の死を通して生徒が気づかされた事。間違えてもいい。そこからどう、進むのか。
この物語には、救いようのない事実が描かれていると感じました。
次に読む本
さよならが言えるその日まで(高木淳史)
お前の父親は誘拐犯だ!
ある日突然、交通事故死した教師の父が誘拐犯と汚名をきせられた
父は本当に教え子を誘拐したのか
何故、父は死ななければならなかったのか
マスコミからのバッシング、snsからの非難
“世間が、私の知らない父を作り上げていく”
高校生の一人娘・伊緒は従兄の日出郎と共に
父の無実を明らかにする為に交通事故と誘拐事件について調べ始める
真実が分からないと人は思い込みや噂を真実として信じてしまいます。
証拠がなくても、証拠そのものが作られていたとしても、それを真実と言う者の数が多ければ多い程、間違っているはずがない、と思えてくるものです。
「誰も見ていないのに。誰も父の声を聞いていないのに。 」
伊緒の真実を見つけるという強い意志と、
周りの意見や反応に流されなかった姿にとても感動しました。
情報社会の中で、自分自身がどうあるべきかを見つめ直すきっかけとなる作品です。
おススメポイント
テレビやsnsで目にする情報がいつしか、正しいに書き換えられてしまう。
ネットが普及し、学生からお年寄りまでスマホ一つで全世界の情報を短時間で知る事が出来るようになった今、本当のことを知ろうとする人はどのくらいいるのでしょうか?本当の事を調べようとすればする程、情報が錯綜していて何を答えとして見るかは自分で決めるのが現状です。
ネット社会、情報が溢れすぎている
今、を生きる私達が気づくべき事がこの2作品には共通して感じられると思います。
誰に、何を伝えたいのか。
私は、何を見てきて、何を信じれば良いのか。
思うがままに、向き合ってみてはいかがでしょうか。
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