武士道シックスティーン(誉田哲也)の次に読む本は

あらすじ

子供の頃から剣道一筋女子で剣道の強者香織は、ある大会で日舞出身の初心者早苗に一本負けをする。同じ高校に進んだ2人の性格は真逆。相反しながらもそれぞれの個性的手法で自身の剣道を極めて行く。

以下、ネタバレを含みます

Doraの読書

ガツガツ系で剣道経験の長い香織と、のんびり系で剣道経験の浅い早苗の、お互いを不思議に思いつつ仲を深めていく様子に面白さと好感度が上がります。
剣道でなくても学生の頃スポーツに触れ、競い合う仲間がいたのであれば、共感が持てる作品だと思います。
剣道や柔道など所謂「道」系のスポーツ特有の道場があったり、部活内の対立や、スポーツに付きものの怪我、継続するか辞めるかを悩む日々など青春ストーリーが重くならずにさらりとユニークに描かれており、引き込まれます。
勝敗を考えることを極度に嫌う早苗に、早苗の父は
好きで始めたことでも、途中分からなくなる事はよくあるが、そんな時には、
“不安と好きを天秤にかけてみる”
のが良いと語ります。
とてもシンプルで単純な方法ですが、素直に自分の心と向き合ってみれば、何事も
「なんとかなるさ」
なのだと個人的に思いました。

次に読む本

武士道セブンティーン/武士道エイティーン/武士道ジェネレーション(誉田哲也)

両親の仕事の関係で福岡の剣道強豪校に転校した早苗は、その高校の剣道に対する考え方の違いに違和感を覚え、自分なりの剣道を模索していく。一方香織も早苗不在の環境の中で、後輩を育てるなど日々を過ごす中、ただ勝つためにに稽古してきた剣道を、角度を変えて自分なりに考え始める。

小学生には…
流星と稲妻(落合由香)
小6から中学に入るまでの、2人の剣道少年のお話です。単純ですが胸を打ちます。

Doraの読書

4部作を一つ一つ読み進めていくと、
当初、「好き、楽しい、勝ちたい」だけであった剣道の向き合い方が、徐々に変化していきます。
香織や早苗だけではなく、彼女たちに関わる人々、道場の師範や先輩たちそれぞれの18歳の選択も描かれており、自身はさほど悩まず現在に至ることが悔やまれてきます。
そして知らぬ間に、剣道が魅力あるスポーツに見えてきます。

おススメポイント

Doraの読書

スポーツの秋。観戦する事も、プレイする事も楽しめる時期に、生き方と併せてスポーツを考えてみるのに良いかもしれません。

武士道と言うと、現代離れしているような感覚がありますが、子供の頃からデレビや映画などを通してちょくちょく触れてきた侍。そして今「鬼滅の刃」で心を震わせる日本人の根底に存在しているかもしれない武士道の考え方を覗き見るのも”乙なものかな”と思います。

個人的には「武士道ジェネレーション」が一番お勧めですが、

難しい話は抜きにして、剣道と無縁の方にも「笑って泣ける剣道の本」として
秋の長夜に楽しめる本だと思います。




この記事を応援する


Stripeで決済します。カード番号を入力してください。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


「自動計算」へのリンク