『逃げ道』ナオミ•イシグロの次に読む本は

あらすじ

魔法使いに憧れる少年と、人生に問題を抱える占い師の偶然の出会いを描く「魔法使い」、新婚夫婦がお互いの心の内が分からなくなる様子を描く「くま」、失業中でロンドンでの生活に馴染めず、婚約者がいながら孤独を感じる男性を描く「ハートの問題」など。3部構成の「ネズミ捕り」は疫病が蔓延した王国が舞台となる。
不器用で孤独を感じる人達を描く短編集。

ゆめこ

おとぎ話を思わせるような幻想的な世界観が描かれるかと思えば、次の話は現代のロンドンが舞台だったりするのだが、どの話も主人公は様々な孤独を感じながら生きている。不器用で生きづらさを感じているようにも思える。
そこからもがいて何とか進もうとする姿をタイトルの『逃げ道』が表しているのだろうか。
多くの話に登場する鳥の描写や、星や宇宙の話が、今とは違う未来や小さな希望を示唆しているように思えた。

次に読む本

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子

空想好きでひっそりと生きていた少年は、ある日チェスと出会う。その後ある出来事をきっかけに大きくなることを恐れるようになる。やがて少年は11歳の身体のまま成長を止め、からくり人形の中に入ってチェスを指すようになる。
世界の片隅でひっそりと生きている人たちの静かで優しい物語。

ゆめこ

小川洋子さんの描く物語は、静かで美しい。
登場人物は誰もがいわゆる少し変わった人達なのだが、穏やかで優しく魅力的で、チェスが分からなくても存分に楽しめる。
誰もが多少なりとも生きづらさや孤独を感じながら生きていると思うが、悲しい出来事すら温かく描かれており、自分は自分のままでいいと思える。
読後に心地よい感動を味わえる作品。

おススメポイント

ゆめこ

この2冊の共通点は、おとぎ話やファンタジーを思わせる世界観が描かれている点と、主人公が明るく順風満帆な人生を送っているわけではなく、孤独を感じながら不器用に生きているという点だ。
また、『猫を抱いて象と泳ぐ』の主人公が少年であるように、『逃げ道』にも少年達が登場する。
悩みを抱えていたり、寂しさを感じている時に読むと優しい気持ちになれるので、ぜひお勧めしたい。


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