あらすじ
神紅大学に入学した葉村譲は、なんちゃってミステリ研究会に幻滅しているところを”神紅のホームズ”称する明智恭介にミステリ愛好会へ誘われる。 2人の元に、正真正銘の”探偵少女”である剣崎比留子が映画研究会の合宿話を持ってくる。何にでも首を突っ込みたがる明智は嬉々として参加するが、合宿メンバー達の間には何やら不穏な空気が漂う。 そして肝試しの夜、思いもよらない事件が彼らを襲うが、その犯人は…
ゾンビ?!
想像しなかった展開に、のっけからグイグイ引き込まれてアッという間の読了でした。いや〜、面白かった! 現代では起こりにくい、雪山的な外との隔離状態をこんな方法で生み出すとは。なんて新しい手法なんでしょ! 斬新だけどトリックは本格派なので、王道派にもエキセントリックな展開好きにもどちらにも満足のいく作品じゃないでしょうか。
次に読む本
『占星術殺人事件』島田荘司
40年前に日本全土を震撼させ、いまだに解かれていない難事件の新たな証拠を携えて、一人の婦人が事件の解決を依頼したのはうだつの上がらない占星術師。 彼こと御手洗潔が、雪の中の密室殺人及び6人姉妹バラバラ事件の謎に挑む!
奇人変人”御手洗潔”シリーズ1作目!笑 本作は、ミステリ好きを痺れさせるポイントが盛り沢山なのであります。 まず、グロテスクながらも豊潤な謎の匂いがぷんぷん香る殺人事件。40年間日本中が頭を捻ったのに解かれていないという、強気な設定。フェアに全証拠を提示した上で、突如読者に挑戦状を叩きつける島田氏のプライド。そして何と言ってもセンスとユーモアのしたたる御手洗潔!読めばきっと御手洗ファンになるはず。
発表後、数々の賞を取り話題となった『屍人荘の殺人』は2017年発行。「このミステリーがすごい!」の通り、読了後は本当にそう叫んでしまうはず! 対してそれより30年以上前に発表された『占星術殺人事件』は、作中だけでなく当時実際のミステリ界も震撼させた島田荘司氏の衝撃のデビュー作。 時を越えてそれぞれの素晴らしいミステリ作品を読める幸せを是非味わってみてほしい。
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