あらすじ
我々は、先入観や思い込みに囚われる傾向がある。先入観・思い込みに基づいて推測すると、その結果は、データ・事実とは乖離していることが多い。
こういうと、「難しそうな本だなあ」と思うかもしれないが、書籍の冒頭では
- 世界中の一歳の子どもで、予防接種を受けている割合は?
- 男性は平均10年間学校教育を受けている。では女性は何年受けている?
など、クイズに答える形にして、とっつきやすいように工夫されている。
2019年の初め頃に読みました。クイズ形式で世界を学べる、というのが面白そうに感じて手に取りました。
12問あるクイズはほとんど間違えてしまいました。でも心配はありません。
「感覚だと間違えやすい」「感覚だけを頼るのではなく、データを調べる」が大事だと思います。
次に読む本
FACTFULNESSで重要とされた「データ」。ではデータは、どのくらいの精度で集められているのか?
女性という切り口から、この問題を考えてみます。
存在しない女たち(キャロライン・クリアド・ペレス)
「地下鉄で女性が犯罪に遭う確率は?」統計データには、犯罪として報告されたケースが記録される。しかし、痴漢など性犯罪は、被害者が報告を避けることも多い。その結果、統計上は、犯罪が少なく記録される。
医学でも似た問題があり、かなり深刻だ。女性の心臓病の兆候は、男性の兆候とは異なる。しかし、治験などのデータは男性対象のものが多い。医師が女性を診断するときにも、男性のデータを元に診断する。このため、心臓病が見逃されてしまう確率は、男性よりも女性が高い、という。(イエントル症候群と呼ぶらしい。)
FACTFULNESS以上に目からウロコでした。
データそのものを見るだけでなく、データがどのように収集されたのか、も大事ですね。
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