離陸直後の旅客機1549便が、鳥の一群と遭遇した。不幸にも、バードストライク(エンジンが鳥を巻き込む)が発生し、旅客機の2基のエンジンが、 両方とも止まってしまった。
バードストライクを受けた 1549便 は、ハドソン川に不時着水し、奇跡的に犠牲者ゼロとなった。
旅客機がハドソン川に不時着水した日
当時、 1549便 の機長だったサレンバーガー氏の人生を振り返る本。
飛行機が好きだった子供時代。16歳で飛行機のレッスンを受け始める。空軍パイロットを経て、民間機の機長となりました。
几帳面な性格で、妻からは「人生はチェックリストではない」と言われることもあったそうです。
パイロットになる人は几帳面でしっかり者だと思われますが、サレンバーガー機長は特にその傾向が強かったようですね。
事前準備の大切さ
バードストライクから不時着水まではわずか3分28秒。その短い期間の決断が大きくクローズアップされることが多いですが、事前の準備を怠らず、常に備えていたようです。
第二次大戦中に、アメリカ軍が飛行機の不時着水のテストを行っていたそうです。B24爆撃機を不時着水させ、データを収集していました。戦争で被弾などして不時着しなければならない場合に、どうすれば死者を防げるか、を調査し、ガイドラインを作成していました。
サレンバーガー機長は、1549便を操縦しているときに、このテスト・ガイドラインを意識していたそうです。
万一の場合にそなえた準備をしっかりと行っていたのが印象的ですね。
「誰がなんと言おうと、あれはチームプレーだったんだ」
飛行機の運行では、機長が最高責任者です。しかし、機長一人ではありません。副操縦士、客室乗務員も大事なスタッフです。
- 副操縦士が、緊急事態でも落ち着いて対処マニュアルを調べる。
- 客室乗務員が、乗客へ「姿勢を低くして、衝撃に備える」と指示する。着水後は適切に避難誘導する。
など、皆がベストを尽くして活動したことで、被害を最小限にとどめることが出来ました。
機長の「誰がなんと言おうと、あれはチームプレーだったんだ」という言葉、素晴らしいですね。
私だったら自分の手柄にしてしまいそう。
日本語訳も発行されています。
映画にもなっています。映画では、機長の決断が適切だったか?をフライトシミュレーターを使って検証するシーンが多かったです。
映画は、犠牲者ゼロだから良し、で終わらせない、安全への取り組みが強く印象に残りました。
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