あらすじ
人類は長い歴史の中でかつてないほど豊かになりましたが、現代人は摂取カロリーが増え、内臓脂肪が増えたことにより身体のあちこちで炎症が起こり、謎の体調不良が急増しています。また不安やストレスが増えて、うつ病が増加しています。食物繊維の摂取不足や、加工食品やジャンクフードの摂取による腸内フローラ悪化での免疫力低下も体調不良の原因になります。都会暮らしや仕事によるストレスも悪影響です。これらの現代人が抱える問題を解決するのが、自然とのふれあいであったり、良好な人間関係となります。
自然は人間にとって副交感神経を活性化させリラックス効果を高めるため、日常から公園に行くだけでも身体に良いそうです。また孤独な人に友人ができると寿命が延びることがわかっており、これは孤独感からくる炎症が抑制されて、体調が回復するためです。良好な人間関係は体調にメリットを与えますが、スマホについては使用時間が長い人ほど不安が増加するためお勧めしていません。本書ではこのほかにも食事、運動、睡眠、価値観、マインドについての重要性も描かれています。
スマホやSNSによるうつ病が近年増加しています。その対策として「運動」が最良とされておりウォーキングや体操など軽い運動でも効果がみられるようです。本書でも運動は体調に効果的としており、さらに自然にふれあうことが重要で、自然が良質な睡眠にも影響を与えるとしています。古代人が自然の中で暮らしながら自然治癒力や免疫力を身に付けてきた進化の過程を思うと、現代人も旧石器時代の暮らしをすることで体調がよくなると考えられます。食事で肉や魚、木の実やナッツを食べる古代の低糖質食は、肥満を防ぎ、体調が良くなり、病気にもなりづらい、といいことずくめです。さらに人づきあいや自然と触れ合うことが、安らぎ感を生み不安を和らげるので、ストレスも軽減されます。旧石器時代の暮らしをたまに取り入れて心身のリセットしてみようかと思います。
次に読む本
アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事 ~マーク・ハイマン著
昨今のダイエット方法は低糖質+高たんぱく質が流行っていますが、本書が薦める方法は「低糖質+高脂質摂取」です。
「脂質の誤解」にスポットをあてた興味深い内容で、最新のエビデンスを多様に用いて解説されています。
結論から言うと、脂質を摂取することで、体脂肪を燃焼させ、体質を改善して、お腹がへこむとしています。高脂質の食事は高糖質よりも減量効果が高くて続けやすく、さらに心臓病を抑え、身体の様々な炎症を抑え、不調を改善してくれます。
米や小麦粉を中心とした高糖質・高炭水化物の食事はインスリンを急上昇させ脂肪を蓄積しやすくし、危険な病気のもとになる内臓脂肪を蓄えます。それが原因で体に炎症を起こし、肥満だけでなく数々の疾患の原因になります。
また脂質は、良質なものを摂り、悪質な脂質を避けることが重要です。ココナッツオイル、オリーブオイル、魚油、アボカド、ナッツ類は良い脂質になり、逆にキャノーラ油や、コーン油、大豆油、植物油、マーガリン等は避けたほうが良いとされています。また肉・魚・卵の摂取を増やし、添加物を使用した加工食品や、菓子類、揚げ物、カップ麺など質の悪い食生活は避け、食物繊維の多い食事を推奨しています。痩せるための具体的食事方法や、良質な脂質の選び方などが最新医学研究の立場から紹介されています。
ダイエットといえば「脂質を減らす、ローファット、脂肪分ゼロが基本」であると考えられてきましたが、その常識を覆す内容です。高脂質食にすることで血圧や血糖値が改善され代謝もアップするそうです。「医者が教える太らない食べ物」として、良質な油類が紹介されており、さっそくそれを普段の食事にちょい足しで取り入れています。脳の成分は60%脂質であり細胞膜も脂質から出来ているため、脂質を摂取することで、脳にも良い影響をあたえメンタル面が改善したり、細胞膜の代謝のおかげでお肌の調子もよくなる美容効果や、がんや糖尿病を防ぐことが期待できるそうです。肥満の原因は脂質によるものではなく、糖質の摂りすぎによることがわかり、正しい糖質制限方法を学べます。
古代人に比べて現代人は摂取カロリーを取り過ぎており、そのために肥満や炎症による体調不良や心臓疾患、糖尿病、うつなどが発生しています。古代人では発生しえない病気が、現代人に起きているその最大原因は「糖質の取り過ぎ」です。古代人の食事では米や小麦粉や砂糖などを摂ることはなく、肉や魚や木の実などのタンパク質と脂質が中心エネルギーであり、1日3食も摂りません。カロリー摂取量も少なく、狩猟のための日々の運動もあり肥満とは無縁だったでしょう。その生活を数万年続けた人間の遺伝子は
現代の高糖質食には慣れていないのでしょう。様々な病気や体調不良の原因はそこにあったのです。両書を読むことで、これからのダイエット方法は古代人の食事メニューである「低糖質・高脂質」を取り入れることが最適と言えそうです。
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