あらすじ
将来を期待された優秀な主人公ハンスでしたが、周囲の期待と自分が本当に望む未来とのギャップに苦しみ、精神を病んでしまいます。最終的には川に落ちて不遇の死を遂げてしまうのですが、人にとって本当の幸せとは何なのかを考えさせられる作品です。
次に読む本
きりこについて(西加奈子)
主人公きりこのきりこは圧倒的に「ブス」な女の子です。ただ、両親からは「かわいい」と言われ続けたきりこは自分を「ブス」だと思ったことありません。服装もフリルやリボンなどかわいい子が好きそうなものが好みです。
そんなきりこも成長するにしたがって自分は世間の感覚でいうと「ブス」なのだと分かり始めるのですが、「世間的にブス」なことと、自分が好きなものを貫くこととの間のギャップに苦しみます。そんなきりこでしたが、自分を生きることを絶対に辞めない「ちせちゃん」の姿に、本当の自分をありのまま生きることの大切さを学び自分自身を生きる強さを身につけていく物語です。
車輪の下もきりこについても、社会の中で生きる自分と、本当の自分を生きることの間のギャップに苦しみもがくというテーマは似ていますが、結末は全然違います。車輪の下を読んだ後にきりこについてを読むと、車輪の下では救われなかったハンスも一緒に救われたような温かい気持ちになれるのでおすすめです。
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