あらすじ
天下人、秀吉配下の武将として働き、「賤ケ岳の七本槍」と名を馳せた七人の男たち。加藤清正・糟屋武則・脇坂安治・片桐且元・加藤嘉明・平野長泰・福島正則。激動の時代、それぞれの価値観で戦い続けた彼らの生涯。そして、彼らの心に鮮烈な印象を残した「八本目の槍」とは誰だったのか?
戦国時代ファンであれば「賤ケ岳の七本槍」はご存じかと思います。天下の趨勢が豊臣から徳川に傾いていく中で、彼らは厳しい選択を強いられました。あくまでも豊臣方につくもの、やむをえず徳川に味方するもの。その選択は様々でした。 そして、作中で「八本目の槍」として描かれる人物が示した決断がとにかく痺れる!若き日の苦労を共にした「賤ケ岳の七本槍」たちとの友情も熱く描かれ、読後には爽やかな感動が残ります。
次に読む本
大友二階崩れ(赤神諒)
豊後の戦国大名大友義鑑は嫡男の義鎮を廃嫡して、愛妾が生んだ塩市丸を世継ぎにしようと企てる。ここに、大友家を二分する内紛「大友二階崩れの変」が発生する。重臣の吉弘鑑理は、主君の非道な選択にやむを得ず従うが、それは吉弘家にとっての苦難の日々の始まりであった。
第9回日経小説大賞受賞作品。吉弘左近鑑理は、高橋紹雲の父であり、立花宗茂の祖父にあたる人物です。 主君への忠誠を貫くべきか、義に殉じるか、はたまた家族や家臣を第一に考えるべきか。困難な決断を迫られた兄弟が、それぞれに選んだ道とその非情な結末が描かれます。戦国の世で、望んだ生き方を貫く難しさを教えてくれる一作です。
今回の選択理由は「選択」です。 「八本目の槍」も「大友二階崩れ」も、登場人物たちは、家を守るために重大な選択を迫られます。 自分だけならまだしも、家族や多くの家臣の運命を背負っている以上、戦国武将は軽はずみな選択はできません。 そして勝者と敗者が生まれます。苦悩しながらも最善と信じる道を選び取る、男たちの姿が実に印象的な二作品です。
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