あらすじ
大自然の中では、殺す・殺されるはありふれた出来事だ。同種の生物のオスとメスの間でも起きる。
- 蛍:雌が、雄を騙しておびき寄せて、食べてしまう
- カマキリ:雌は雄と交尾した後、雄を食べてしまう
そんな大自然の中で、貝や魚を取り、一人で生きている少女カイア。親には捨てられた。村人たちからは、湿地の少女と呼ばれている。
14歳になったカイアはテイトと親しくなり、文字を教えてもらうなどする。しかしテイトの進学により離れ離れになる。その後、チェイスと親しくなる。しかし、チェイスには遊ばれただけだった。
1969年10月30日の朝、チェイスが死体で見つかる。カイアが殺したのではないか?という噂が広がる。カイアは逮捕され、裁判にかけられた。
人間の世界では差別・偏見が描かれていました。カイアの住む自然では差別・偏見はありません。カイアにとっては湿地が居心地が良かったのでしょう。
詩人アマンダ・ハミルトンの詩が美しく、カイアの住む自然とマッチしていたのも印象的でした。
証拠不十分でカイアは無罪となる。
カイアはテイトと暮らすことになる。そして、64年間湿地で暮らしたのち、人生を終えた。カイアの死後、テイトはカイアの書いた詩を見つける。
カイアがチェイスを殺した
詩のタイトルは「蛍」。カイアがチェイスを殺したことを物語る詩だった。傍らにはチェイスに贈ったペンダントがあった。(厳密には、ペンダントは状況証拠でしかないかもしれないが)
アマンダ・ハミルトンは、カイア
カイアが詩を書いて、アマンダ・ハミルトンの名で投稿していた。
次に読む本
「ザリガニの鳴くところ」には、生物の生態の話がいくつか出てきます。その繋がりで、生物について学べる本を紹介します。
悪のいきもの図鑑(竹内久美子)
生物たちの生存戦略を、分かりやすく、また読みやすく解説した本。
「ザリガニの鳴くところ」にも出てきたカマキリでは、
オスが食べられると、そのオスの栄養が卵に回り、メスが2倍以上もの卵を産むことがわかった。
「ウスバカマキリ」の節より
と、交尾後に食べられることにもメリットがある、といった記述があります。
雌に食べられる雄カマキリ、可哀そうに思えましたが、実は立派な戦略なのだ、と気付かされました。
生物種ごとに一つのトピックで、約50あるトピックの一つ一つは短く数分で読める長さです。
『シマウマの縞は何のためにあるの?』など、面白い小ネタがたくさんあります。雑談のタネ集めにも良さそうです。
コメントを残す