「光る君と謎解きを 源氏物語転生譚」(日部 星花)の次に読む本は

あらすじ

自分の取り柄がわからず就活に苦戦していた令和の女子大生・源 紫乃(みなもと しの)。
ある日、面接帰りに竹橋をゆっくり歩きながら清水濠を見下ろし、考え事をしてると突然大きな地震が起き、紫乃は濠の中に吸い込まれていった。
紫乃が目が覚めたときには、なんと平安時代の10歳のお姫様に!!
しかも、紫乃は源氏物語の世界に迷い込み、光源氏が愛した最愛の人・若紫になっていた。
光源氏にだけ令和の時代から若紫の身体に魂が入った事情を話し、紫乃が授業で学んだ源氏物語の内容をもとに光源氏にいくつかアドバイスする。
しかし、光源氏の正妻である、葵の上が六条御所の生霊に殺されたという噂が立つ。
生霊の存在に不信に思っていた紫乃は葵の上の不審死の真相について謎を解き明かしていく!!

あき

私は、普段推理小説は読むのに時間がかかってしまうタイプですが、こちらの作品はスラスラと読むことができました。

紫乃と頭の回転が早い光源氏の会話のテンポが軽快で読みやすいです。

生霊による謎の死など物語の中で起きた事件を深掘りして分析していくことで、より源氏物語の面白さを味わうことができました。

令和の現実世界では、やりたいことも取り柄もわからない紫乃。
しかし、源氏物語に入り、若紫になった紫乃はいきいきとしていて、事件、謎を解き明かそうと奮闘している姿に自分も謎を解いてみようという意欲を湧かせてくれました。

源氏物語のあらすじを振り返つつ、紫乃と一緒に物語の謎を解き明かしてみましょう。

次に読む本

「源氏物語あやとき草子(一)紫式部と彰子」(遠藤遼)

時は平安時代。紫式部が源氏物語を執筆最中の頃。
最高権力者であった藤原道長に文才を認められ、道長の娘である中宮彰子に仕えることに。
紫式部が仕えていた彰子は一条天皇と結婚してから9年経過し、初めて懐妊されていた。
妊娠中の彰子は紫式部に漢文を教えてほしいと頼む。
なぜ漢文を学びたいのか、疑問に思いつつも彰子に漢文を教えることを承諾した紫式部。
実は彰子には誰にも話していない秘めた思いが隠されていて…。
彰子の強い志に心打たれた紫式部は源氏物語を書き続けようと決意する。

あき

なぜ紫式部は源氏物語では光源氏の妻の葵の上は生霊によって殺されることにしたのか、など源氏物語の有名な場面の設定の理由がいくつか知れてとても面白かったです。

また、この作品は紫式部と彰子とのやり取りがたくさん登場します。

源氏物語の1つ1つの場面には紫式部の彰子への強い忠誠心、思いが隠れていたり、彰子は自分のこと以外の人たちのことを考えて行動しようとする気持ちが垣間見れるでしょう。

紫式部と彰子の純粋な気持ち、思いやりがとてもすてきで温かい気持ちにさせてくれました。

紫式部の思惑が叶ったとき、感動シーンが待っているのでぜひ最後まで読んでみてほしいです。

おススメポイント

あき

この2作品に共通しているのは、平安時代、源氏物語が関連しているラノベ小説であるというところです。

この2作品を選定した理由は、『光る君と謎解きを 源氏物語転生譚』を読み終えた後に『源氏物語あやとき草子(一)紫式部と彰子』を読むと話の舞台となった源氏物語をある程度知った状態で紫式部がどのような思いで描いたのか、想像を掻き立てられて源氏物語も平安時代の頃の歴史も楽しめたからです。

どちらもラノベ小説なので、作者独自に考えたストーリーが大半なのはもちろん承知。
ですが、実際にあったことに沿った内容である、ない関係なく“源氏物語が、紫式部と彰子の関係がこういうシチュエーションだったら面白いのでは?”と常にワクワクしながら読み進められてとても新鮮でした。

源氏物語も平安時代に興味がある方にも2冊ともぜひ読んでみてほしいです。




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