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『光る君と謎解きを 源氏物語転生譚』日部星花の次に読む本は

あらすじ

就活中の紫乃は人生がつまらなく感じ、なんのために生きているのかわからなかった。面接の帰りに地震に遭遇し、清水濠へと落ちてしまう。
目を覚ますとそこは平安時代の世界。彼女は十歳の姫として転生した。ひょんなことから事件を解決し、事の顛末を中将の君に話すと…彼が、紫式部の書いた「源氏物語」の主人公・光源氏その人だと判明! 紫乃は「源氏物語」の世界に紛れ込み、後に光源氏の妻となる紫の上(若紫)になってしまったのだ。紫乃は光源氏に自身のことを打ち明け、若紫として過ごしながら、光源氏のサポート役を務めることに…。

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『源氏物語』の主人公といえば光源氏ですが、こちらは紫の上(若紫)が主人公のお話となります。令和の女子大生が紫の上に転生したという斬新な切り口からスタートし、『源氏物語』の世界の流れに近い状態で物語が進行します。しかし紫の上(若紫)の中に入っているのは令和の女子大生。彼女独自の動きや視線で登場人物たちの考察が入るところが、非常に面白いです。また紫乃が謎解きをするのがメインであり、光源氏との関係も実の兄妹のように健全です。ラブシーンや濡れ場の描写がないので、誰でも気軽に読むことができます。参考文献が多く使用されているため、緻密かつ正確に『源氏物語』の世界が描かれています。紫の上が光源氏の妻となるところで終わるものの『源氏物語』には、まだまだ続きがあります。紫乃の今後や光源氏との仲が気になり、ぜひとも続編が出てほしい一冊です。

次に読む本

『源氏物語 上』角田光代訳

時の帝・桐壺帝の寵愛を一身に受けた桐壺更衣は可愛らしい皇子を生む。皇子は大層かわいらしく、美しい容姿をし、大の大人が気後れしてしまうほどに気高く気品に満ち、学問や雅楽に秀でていた。目に入れても痛くないほどの愛息子の将来を案じた帝は、彼を親王ではなく朝廷の補佐役である臣下にする。与えた姓は源氏。その人こそ、物語の主人公・光源氏である。彼の波瀾万丈に満ちた愛と苦悩の生涯の物語。

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2024年のNHK大河ドラマ『光る君へ』の吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が書いた『源氏物語』の現代語版になります。文章はもちろん現代文で書かれており、登場人物たちの読んだ和歌も現代語に訳されているので古文がわからない方でも、すらすらと読むことができます。また収録されている解説や解題を見れば、さらに『源氏物語』の世界を理解しやすくなります。光源氏を中心に繰り広げられる人間模様は、時に切なく物悲しいものであったり、笑ってしまいそうなコミカルなものや、ぞっと恐ろしくなるようなホラー調であったりと色彩豊かで美しいです。作者である紫式部の登場人物たちや当時の人へのノリツッコミや皮肉、一言も書かれていて、思わずクスリとなることも。

おススメポイント

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世界初の小説と謳われる1000年前に書かれた物語。日本人であれば『源氏物語』というタイトルを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 世界的にも評価をされているこの物語には、平安時代を生きた貴族たちの華やかな暮らしや風俗・習慣がいきいきと書かれています。それは21世紀の令和という時代に生きている私たちには不可思議であったり、馴染みのないもので理解できない点も多々あるでしょう。しかし登場人物である彼らの喜怒哀楽は現代の私たちにも通じるものがあります。誰かを愛し、憎むこと、誰かの死を悼み、誕生を喜ぶ人の心や気持ちは、そうそう変わるものではないと感じられる。そんな二冊です。

この記事を書いた人

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Webライター。活字中毒で読書大好き人間です。絵本、漫画、小説、ビジネス書、エッセイ、詞、古典、図鑑、雑誌と気になったものはなんでも手に取り、読みます。図書館や書店、古本屋を巡るのが好きです。

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