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『負動産地獄 その相続は重荷です』牧野知弘の次に読む本は、『磯野家の相続〔令和版〕』・長谷川裕雅

あらすじ

普通の家庭で普通に起こるのが相続であり、相続税の有無にかかわらず、遺産の中には厄介者となる財産が含まれている可能性がある。今後さらに激増するであろう相続について、相続をする側の高齢者世代も、相続を受ける側の若い世代も、他人事では済まされないと警鐘を鳴らす作品である。また、これらの相続問題が日本経済全体に及ぼす影響についても示唆されている。

ざき

作者が実際に相談を受けた例も多く紹介されており、相続問題は対岸の火事ではなく、いつか自分の身に降りかかるかもしれない災難である、という認識になった。
特に相続財産の中でも大きな存在である不動産の問題については、ほとんどの人が無関係ではない問題であると思う。
また、高齢者の資産を社会に還元していくための相続対策であるのに、「住宅」「教育」「結婚・子育て」に限って非課税枠を設けている現状に対して、「旧来の家族観から抜け出した議論が行われていない」という意見について、そのとおりだと感じた。
新しい時代に即した税制への提言は、不動産事業プロデューサーとして様々な顧客の相談を受けてきた著者だからこそ、納得感の深いものとなっている。
本作品はまず、「とりあえず不動産を買っておけば節税にもなるし、いざというとき金になる」と思っている呑気な高齢者世代に読んでもらいたい。その上で、「うちは財産もすくないから相続なんて関係ない」と思っている若者世代に、他人事じゃ済まされんぞ!と全力でお勧めしたいと思う。

次に読む本

『磯野家の相続〔令和版〕』・長谷川裕雅

相続の基礎知識から遺産分割の方法、遺言書の書き方まで、国民的アニメ「サザエさん」に登場する磯野家を具体例に解説したベストセラーである。相続問題は”もめる”ことを前提として、日本の幸せな家庭の象徴である磯野家をモデルに、様々な角度から遺産問題、遺産分割に関する問題に切り込んでいる。

ざき

「相続」は誰もが一度は経験する、身近な問題だ。いつかは訪れる相続問題、知らなくて損したり、後悔したりしなくていいように、「相続税」に関する基本的な知識は持っておくべきだと思う。ただ、税理士試験における「相続税法」の勉強をしたことがある身として申し上げると、「相続税法」は覚えることが多くて内容も難解!とにかく登場人物が多くてややこしい。被相続人甲がうんたら、相続人Aが放棄してどうのこうの・・・。
本書のすごいところは、相続にかかわる登場人物をすべて「磯野家」に置き替えて解説してくれたところだ。それだけでとても分かりやすく、するすると頭に入ってくる。相続の手続きを難解にする様々なケースも、「波平に借金があった場合」「波平に隠し子がいた場合」「マスオが不慮の事故死!」などと説明されると、一発で想像することができるのだ。また読みやすいだけでなく、実務的な経験豊富な先生が書かれているだけあって、基礎的な知識から現実に起こりうる事例まで、とりあえず知っておくべき知識が網羅されていると思う。
また、「磯野家」は子供から祖父母の代までみんなが親しみのある国民的キャラクターであり、その波平に愛人がいたら…という少し笑える話題から「相続」の仕組みが学べる。これを機に、家族内で「相続」が話題になり、みんなが元気なうちから意思確認ができるきっかけになれば、それが何よりの相続対策であると思う。まさに一家に一冊、備えておくべき作品である。

おススメポイント

ざき

私はたまたま税理士法人で勤めた経験があり、ある程度相続の知識をもって『負債地獄 その相続は地獄です』を読んだため、抵抗なく読み進めることができましたが、普段相続と関わることがない方からすると、本書は専門用語が多く、すぐに内容を理解することが難しいかもしれません。
よって基本的な法定相続人の考え方や遺留分等について、日本国民であればだれでも知っている家族「磯野家」を例にして解説した『磯野家の相続〔令和版〕』を次に読む本としておすすめしたいと思います。
そもそも相続とは何かという仕組みを、「磯野家」を通して解説された本であるため、イメージとして頭に残りやすく、より相続への理解が深まると考えます。
2作品とも、相続は他人事ではない、相続を”争続”にしないため生前からお互いの意思を確認しておくことが大切であるというメッセージが含まれており、全ての世代に届けたい良作です。

この記事を書いた人

ざき

ざき

すきま時間で読書を楽しむ30代です。
三重大学文学部卒で、谷崎潤一郎を研究していました。
小説を中心にこれまで読んだ本は1,000冊以上!
仕事と育児の合間に、楽しく本を紹介したいと思います。

▷学生時代に憧れたのは出版社
▷現在は税理士業界に勤務中

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