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黄色い家(川上未映子)の次に読む本は、ルポ特殊詐欺(田崎基)

あらすじ

花は、高校生のとき、バイトに精を出してお金を貯める。しかし、貯めたお金を、母に会いに来た男に持ち逃げされる。スナックで働いてる黄美子に誘われ、花は、黄美子と一緒にスナックれもんを始める。

スナックは常連客もいて上手く回っていた。黄美子と花は一緒に暮らしていたが、やがてスナックのスタッフの蘭、桃子も一緒に暮らすようになる。ある日、スナックれもんは火事により営業不可になる。

花はスナックれもんを再建したかった。そのため、闇の仕事でお金を稼ぐようになる。蘭や桃子にも闇の仕事を手伝わせる。お金を稼ぎ、貯めていったが、お金やスナックれもんの再建のことで蘭や桃子と口論になる。

四人の生活は崩壊し、黄美子一人を残し、他の人は家を去っていく。

水野 史土

スナックれもんを運営するあたりまでは、花が頑張る姿がかっこよくも思えました。しかし、火事の後の闇落ちの展開が凄く恐ろしい感じでした。闇の仕事にいったん手を染めると、あっという間に引きずり込まれてしまうのだな、と。

年齢をごまかしてスナックで働いていた花にとっては、公的な支援を受けづらかったと考えると、とても切なく辛いです。

次に読む本

ルポ特殊詐欺(田崎基)

主に高齢者を狙う詐欺集団。犯罪組織は巧妙になっており、逮捕されるのは受け子や出し子と呼ばれる末端のメンバー。末端のメンバーは、パチンコ等で借金があって当座の現金が必要、という人や、割の良いバイトに釣られた若者など。

組織の中には、末端メンバーを見張る役割の人もいて、末端メンバーがきちんと仕事をする、お金を持ち逃げさせないようにしている。また末端メンバーが脱退しようとしても、「家族を殺すぞ」などと末端メンバーを脅かして抜けさせない。

水野 史土

末端メンバーは、逮捕されるリスクが高い割に報酬は少ないようです。極端な資本主義・競争主義の世の中は生き辛いですが、そこからはみ出て闇の仕事に手を染めると、深みにはまり、抜け出せない、という恐ろしい結果になります。

逮捕されるのは末端メンバーがほとんどですが、警察としては「受け子をいったん泳がせて、元締めとコンタクトするのを待つ」というのは現在の法律では難しいそうです。警察の努力には頭がさがりますが、しかし、詐欺組織の根絶までは長い道のりになりそうです。

水野 史土

黄色い家」で花が犯罪に手を染めていくところが印象強かったので、犯罪組織の仕組みを知ろうと思い「ルポ特殊詐欺」を読みました。

闇の世界は巧妙で、一歩、足を踏み入れてしまうと底なし沼に引きずり込まれてしまいます。うっかり入ってしまわないよう、知っておくことは大事だと思わされました。

この記事を書いた人

水野 史土

水野 史土

年100冊読む読書家。本屋大賞のようなエンタメ系文芸を好む。テッド・チャンの影響で最近はSF作品が多め。

本業はホームページ運用支援で、実績は月70万PV。著書は「WordPressユーザーのためのPHP入門 はじめから、ていねいに。第3版」他。

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