砂嵐に星屑(一穂 ミチ)の次に読む本は

あらすじ

舞台は、一見華やかな大阪のテレビ局。そこで働く「真面目で不器用な人たち」の短編物語。春:社内不倫という“前科”で冷たい視線を浴び続ける40代独身女性アナ、夏:娘との冷戦状態と同期の早期退職に頭を抱える50代男性報道デスク、秋:ゲイ好きを愛してしまう望みゼロの20代女性タイムキーパー、向上心ゼロの無気力で働く毎日を送る非正規雇用の30代男性AD。それぞれの世代がつまずき、転びながらも前を向いて生きようと立ち上がる姿に共感と感動と、勇気がもらえる。きっとあなたにも通ずる何かがあるはず。

べーちゃんや

4つの短編のうち「秋:嵐のランデブー」の主人公である結花と、彼女の好きな人である由郎の恋愛模様に心が締め付けられました。“どんなに好きでも同じ気持ちが返ってくることはない“という”100%叶わない恋をする辛さ“を一穂ミチさんは”めまぐるしく形を変えて地球の周りを回り続ける月“と表現しています。二人の恋は、どんよりとした雲の隙間から明るく照らす太陽を見ている気分でした。

次に読む本

元女子、現男子。忘れたい過去もある。けど、それを含めて僕だと気づいた。木本奏太(かなたいむ)

女性として生きてきながら自分に正直に生きられないと苦しんできた25年間。幼いころから「女の子らしく」に違和感を覚えながらも、違和感という言葉さえ分からない小学生時代。中学生になると恋愛対象や身体の変化に明らかな違和感を抱く。高校生になって見たドラマをきっかけに、“性同一障害”であると気づく。就活では、スカートにヒールで書類には「女」に丸をする大学生時代。『自分に正直に生きることができない毎日を50年送るよりも、男性として30年生きるほうがいい』両親へのカミングアウト、性転換手術…自分らしく生きるってどういうことなのか?

べーちゃんや

この本の表紙を初めて見たとき、『かっこいい!』と思いました。13人に1人の割合とされる「LGBTQ+」について、いったいどれだけの人が知っているのか。日本では異性として生きるためには6つの条件があり、手術の必要があると知り、縛られた決まりによって海外に比べると、まだまだ『自分に素直に生きること』ができない人がいることも知りました。木本さんはYouTuberとしての活動も含め、少しでも多くの人に知ってもらい、何かのきっかけになればと願い活動を続けています。性について悩む人、大切な人が性について悩んでいる人、自分の生き方に悩む人…木本さんの言葉に前を向いて生きる力をもらえます。

べーちゃんや

2冊の本を読んで共通する点は、「人生の過ごし方」を考えさせられることです。生まれてから死ぬまでに決して止まることのない“時間“をどんなふうに過ごせばいいのだろうか。「みんながこうだから私も…」って周りの目ばかり気にせずに、自分が思うままに素直に生きることが本当にかっこいい人間なのかなと思うことができました。何気ない、いつもと変わらない毎日に疲れてしまったときに読むと、今までモヤモヤして苦しんでいた自分の悩みも何だかちっぽけに思えた作品でした。




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