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娼年 石田衣良の次に読む本は

あらすじ

「女なんてつまんないよ」、「セックスなんて、手順の決まった面倒な運動です」。
名門大学に通いながらも女性の魅力に気づけず、無気力な日々を過ごしていた森中領(もりなか・りょう)。
いつものようにバーテンダーのバイトをしていた途中、領は御堂静香(みどう・しずか)と名乗るクラブの美人オーナーと出会う。
「情熱の試験、受けてみない?」と御堂が領に与えた試験は、なんと彼女の実の妹である咲良とのセックスだった。最初は正しいやり方が分からず自己流で受験した領だったが、咲良が領を気に入ったこと、御堂静香のボーナスで最低ラインの1万円でなんとか合格する。「女がどういう生き物か、その目で確かめなさい」という御堂の言葉そのままに、領は娼夫として彼女のもとで働くことに。数ある女性と肉体を重ねていくうちに、領は女性の魅力や彼女たちの欲望の深さ、そして娼夫のやりがいに気づいてゆく。セックスを通して見えてくる孤独感や劣等感の深さに戸惑いながらも、領は指名者の女性に寄り添いセラピーのように彼女たちの傷や迷いを癒していく。無気力だった青年が娼夫という天職に巡り合い、また同じ傷を抱えた仲間と出会い協力し合いながら己の道を進んでいく、石田衣良渾身の官能小説、誕生。

光薫
光薫

男性が身体を売る「娼夫」の道を選ぶというショッキングな内容ですが、濡れ場の描写がとても丁寧で女性の欲望の多様さが良く伝わってきます。日本では性描写や官能小説などの規制が他国と比べ厳しいですが、石田衣良さんの魅力は「女性の魅力や特徴、そして感受性の多様性が多様に描かれる」ことです。男女が巡り合うとどのようなことが起きるのかが分かり、恋愛に興味がある・ないに関わらず是非読んでほしいドラマティックな内容です。

次に読む本

逝年 石田衣良

 娼夫として働き始めて7年が過ぎた森中領。御堂静香のクラブが摘発され、さらに彼女がエイズを発症し医療刑務所に収監されていることを知った領は、第二のオーナーとして仲間を集めるためにクラブのトップを争うアズマ、御堂静香の妹である咲良と共に動き出す。領は自ら歌舞伎町のバーに赴き観察を続け、トランスジェンダー(FTM)のアユム、大学の同級生であるメグミなど有望な役者を揃え、クラブは順調に経営を続けていた。しかし、御堂静香の余命が月単位であることを知った領は「自分の道を作ってもらった」彼女に何ができるのかを必死に模索する。そして領が出した答えは、御堂静香への感謝を込めたセックスだった。領が娼夫になって得たもの、失ったものとは何なのか。そして自分が御堂静香へ最後に与えられるものとは?愛と感謝の想いが交錯する、娼年の続編がついに完結!

光薫
光薫

セックスはただ欲望を満たすためにあるのではない、誰かへの感謝や愛情を伝える手段にもなるということが石田衣良さんの描写でひしひしと感じました。無気力だった領が御堂静香や咲良たちと出会ったことで、表情が豊かになり活き活きとしている姿が目の前にハッキリと浮かび上がり、領の成長が垣間見えた1冊でした。娼婦やクラブは偏見の目が強く理解されないイメージが強かったのですが、彼らにも生きがいややり甲斐はあるのだと否定してはいけない職業だということがよくわかると思います。

光薫
光薫

 個人的に、濡れ場の描写は村山由佳さんと石田衣良さんの二大巨頭です。

石田衣良さんは女性の欲や魅力を引き出す丁寧な描写が特徴で、決して刺激が強くはありません。

これだけ性教育やLGBTQなどの多様性が叫ばれている現代だからこそ、読んでほしい2冊です。

この記事を書いた人

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光薫

1997年6月1日生まれの23歳。 性自認はアセクシュアル。 読書好きを活かし書評ライターを志す。 5歳から習っていた書道を活かし、代筆の仕事もやっている。 「書くことで、生きていく」をスローガンとする傍ら、医療翻訳者になるため勉強中。 阪南大学 国際コミュニケーション学部 卒業 語学と心理学を専攻。 英検2級、TOEIC705点、仏検4級 独学で中国語も勉強中。

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