まちづくり幻想ー地域再生はなぜこれほど失敗するのかー 木下 斉 (著) の次に読む本

あらすじ

日本は人口減少に転じていますがとりわけ地方は深刻です。地方交付税交付金によって地方に予算配分し、行政は地域を活性化するための事業・政策を行っていますが、思うような成果が出ているところは少なく、東京一極集中は収まる気配がありません。地域の活性化の策でよくあるのが、他の地域の成功事例を真似ることです。

しかし成功まで至るには、その影で限られた予算の中で試行錯誤・失敗を繰り返し、改善を続けているからです。成功事例を真似るだけで自分は何一つ失敗せず、成功にこぎつけるのは殆どないと言っていいです。成功事例の多くは外から見れば華やかですが、地道な努力の結果であり、外からみれば華やかに見えるだけです。

上記のように、本書には、まちづくりを進めていくにあたって、官民・その地域に住む人々が陥りやすい幻想や、まちづくり事業に着手するうえでの陥りやすい勘違いについて、紹介しています。

ろっく
ろっく

本書は私にとって中身が濃く、なかなか消化できなかったというのが本心ですが、学ぶべきことは多かったように思います。これまでは、公共施設が閉鎖するニュースを見聞きすると、税金を投入して存続すれば良いくらいにしか考えていませんでしたが、税金だけに頼って運営というのは長い目でみると望ましくないかもしれません。公共施設は税金によって運営されていて、それは正しい面としてありますが、公共サービスの提供と、その運営費をどう捻出するかについてはそのバランスを考えていかないといけません。

本書の趣旨から少しずれますが、首都圏と地方の格差は、これまでは人口問題にくらいしか捉えていませんでした。地方は産業基盤が弱く、思うような職業や所得が得られないことが問題で、地方に稼ぐ力がない、魅力がないから人口問題が生じていると捉えた方が良いと感じました。

次に読む本

異端のすすめ-強みを武器にする生き方- 橋下 徹

弁護士からスタートし、メディアに引っ張りだこになり、大阪府という巨大組織の長として行政改革に尽力した著者ですが、中でも大阪都構想を含めた政治活動については、大阪城でのモトクロスバイク大会の開催など、本書の中でもより具体的に書かれており、読んでいると著者が府知事として活躍していた頃の記憶がよみがえってきます。

現代社会は自分がどう生きればよいか、正解を見つけにくい時代です。本書は自己啓発本の類いで、著者の経験則から基づくもの内容となっており、統計的な裏付けのようなものはないですが、「どうやって自分の強みを手に入れるか」、「納得感の得られる人生にするにはどうすればよい」等、基本的な考え方の軸になるところを語ってくれています。

ろっく
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大阪都構想という壮大な行政改革に挑むエネルギーはどこから生まれてくるのか個人的にはずっと疑問でしたが、本書に触れることで著者の人生観が伝わってきました。

結果的には否決され反対意見が多数だった訳ですが、文字通り身を挺してまで大阪の未来を考え、それを実現しようと尽力されあと一歩というところまで来た訳で、そこまでできる方は殆どいません。

さてTVで拝見すると、どんな質問に対しても、非常に理論武装された持論を展開しており、それはまさに圧巻で、誰しもが身に着けたい能力ではないかと思います。このあたりは第4章に書かれていますが、著者は長年、ニュース等の情報のインプットして、持論をアウトプットすることを日課としているようです。個人的には非常に参考になりました。

それから、ずっと疑問だったのが、大阪都構想実現に向けて、政治活動を再開するかどうかでしたが、読んだ限りでは「完全燃焼」されたようです。著者の悲願である都構想は少なくとも今は実現に至っていませんが、そのかわりに、人生で大切にしなくてはならないものが、著者自身の中で洗練されて、こうして書籍という形として表現されているような気がします。

ろっく
ろっく

この「異端のすすめ-強みを武器にする生き方-」は、「まちづくり」というよりは、自己啓発本の要素が強いです。ですが、行政改革と聞いて、まっさきに思い浮かんだのが著者の橋本徹さんでした。弁護士としての民間企業の経験、大阪府、大阪市の首長としての貴重で大変な経験はきっと「地域のまちづくり」に活かされると思い、お勧めします。

この記事を書いた人

ろっく

西日本在住の30代事務職系サラリーマン(男)。電車に揺られながら読書している。土日は息子達(3人)とそのお友達の遊び要員として、家の周りを走り回っている。
 仕事では情報のアウトプットばかりでインプットする時間がなかなか持てないので,読書を決意。しかし,読んだ傍から忘れてしまうのが悲しい。
 作文はヘタだけど寄稿にチャレンジすることで自分の中でしっかり消化できるよう務めたい。よろしくお願いします。

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