どうしても頑張れない人たち

「どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2」 宮口幸治著の次に読む本

あらすじ

ネタバレがあります


あなたは頑張れる人ですか?頑張れない人ですか?
恐らく、多くの人が頑張れる人に分類されるのではないでしょうか。
世の中には頑張れない人々がいます。本書は、頑張れない人々がどう感じているのか、そしてその支援者である周りの人々はどのように考え支援すべきなのかについて書かれています。
頑張れない人とは、境界知能(明らかな知的障害ではないが、正常域を下回る境界域にいる)であることが多い。
いくら頑張っても出来ない人は、確実に存在し、そういった人々は結果を出せないため、”頑張っていない”と評価されてしまう。本人は”頑張った”つもりでも、周りが”頑張っていない”と評価すれば、それは頑張っていないことになってしまう。
頑張れない人々は、普段そんな環境の中で生きている。
では、頑張れない人々が存在することを理解した上、その支援者等がどのように対応するのがベストなのか、良かれと思ってやっていることで逆効果になっていることはないのだろうか。

yuiii
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恐らく、私自身も読者の多数も頑張れる人である。今まで頑張れない人を目にしたり、同じ空間で働いたり勉強したりしたことはあっただろうけれど、その頑張れない人の立場になって考えた機会がなかった。

多様性や協調といったワードが叫ばれている現代で、自分とはちょっと違うかもしれない人々について考えたり、理解しようとすることは大切だと思う。全くの無知であることと、理解した上での対応では大きな差が出てくることが必至だから。

この本に書かれる「どうしても頑張れない人々」に対して、寛容な人間で居たいと思いました。

次に読む本

「跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること」 東田直樹著

著者は重度自閉症である。
自閉症である著者から見える世界や著者の考え方について様々な角度から書かれている。
自閉症の人から見た世界と健常者から見た世界の違いや自閉症の人はどうして跳びはねたり、叫んだりするのかについても説明があります。
とにかく著者の文章は、表現豊かで綺麗です。
作中には、著者のインタビュー内容も登載されています。著者がインタビュー時に発する言葉や多動的な動きを読むと、これが世の中で知られている自閉症の人の特徴だなと思いますが、作中の著者の文章は洗礼され、綺麗で、読者の心を掴みます。

yuiii
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私は健常者ですが、今まで当たり前に目にしてきたものや触れてきたものに対してどれだけ適当に接してきたのかと気付かされました。

電車内で叫んでいる人や独り言を言っている人を見れば視線が向かってしまい、特異な者として見てしまうところがありましたが、この本を読み終えると、そんなハンディキャップを持ちながら生きている方々への視線が大きく変化します。

yuiii
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本Aは、「境界知能の人」について、本Bは「自閉症の人」について書かれている。両者に共通するのは、何かしらのハンディキャップを抱え世の中で生きる人々について書かれているということ。そして、そのハンディキャップを抱えて生きる当事者は皆頑張っているが、周囲の人々からの理解は乏しく、まだまだ開拓余地のある分野であること。

本書2冊を読み終えると、ハンディキャップについて自身の理解が乏しかったと思わされ、今回以外のハンディキャップ(統合失調症やうつ病、ダウン症、身体障害などなど)についての書籍にも興味が湧いてきます。


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