不思議の国のアリス(ルイス・キャロル/著 矢川澄子/訳)

あらすじ

ある昼下がりのこと、退屈していたアリスは、慌てて通り過ぎて行った白ウサギの後を追いかけて、大きなウサギ穴に飛び込みます。するとそこには、はちゃめちゃなことを言う様々な住人たちが住む不思議な世界が広がっていた…というお話。体が小さくなったり、大きくなったり、理不尽な裁判に参加したりと、アリスがたどる奇妙で不思議な冒険の数々が描かれています。1865年に刊行されてから、世界中で読み継がれる傑作ファンタジーです。

みなぞう

著者が幼い子供に向けて即興的に作った話ということもあり、物語の中に出てくる言葉遊びが面白く、訳者である矢川さんの個性も色濃く出ている作品です。『不思議な国のアリス』自体は有名なので話の大筋は知っている人も多いと思いますが、既存のものとは全く違う印象を受ける人もいるでしょう。不思議の国の住人に対して「どうして?」と質問し、まともな回答が得られないことに怒ることを繰り返すアリスが可愛らしいです。個人的に序盤は「読みにくい」と感じましたが、それは作品を深く考えすぎていたから。大人として凝り固まったバイアスを外し、童心に帰ってサラッと読むことをおすすめします。

次に読む本

みなぞう

『不思議な国のアリス』のクライマックスといえば裁判のシーン。ハートの女王による非常に理不尽な裁判の様子が描かれていますが、そもそも現実の裁判に理不尽な点は無いのでしょうか?完璧な裁判なんて存在し得るのでしょうか?そんな疑問を持った人に読んで欲しいのが『ソロモンの偽証』です。

ソロモンの偽証(宮部みゆき)

中学生の柏木卓也が学校の屋上から転落して死亡した。警察はこれを事故と判断するが、匿名の告発状には、彼をイジメていた大出俊次が犯人であると書かれていた。彼の死は自殺か、殺人か。記者による過剰報道も重なり、謎の死への疑念が広がる中、とあるクラスメイトが、学校内裁判を開くことを提案する…というストーリー。死の真相を求める生徒たちの錯綜する心情を巧みに描いたミステリー作品です。

みなぞう

『ソロモンの偽証』のタイトルにあるソロモン王というのは、人を裁くことを許された人物のことです。現代社会で言えば裁判官ですね。中学生が学校内裁判を開くという設定も面白いのですが、しっかりと判決まで出しているので読みごたえがありますし、判決に至るまでのプロセスの描写が非常に細かいです。『不思議の国のアリス』に出てくるハートの女王の裁判、『ソロモンの偽証』の学校内裁判、そして現実の司法裁判。さて、この中にあなたが求める正義の裁判はありますか?

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