星の子(今村夏子)の次に読む本は、水を縫う(寺地はるな)

あらすじ

原因不明の湿疹を治すため、あらゆることに効くという水を勧められ、そこから明らかに怪しい宗教にのめり込んでいく両親。親の信じる「新興宗教」を当たり前のように受け取ってきたが、学校に通い成長するに従って周りが自分や両親を見る視線に違和感があることに気付いていってしまう。好きな人の信じるものを信じることが出来るか?というメッセージが印象的。2020年10月映画化作品。

だまだまこ
だまだまこ

新興宗教と聞くと自分には縁のないもの、と思ってしまいますが、彼らが足を踏み入れたのも、娘の健康のため。大切なものを守るためなら…という気持ちがどんどん加速する様子は、「あり得そうで怖い」と思いました。普通の家に育ったつもりでも、学校に通い、世間に出てみれば普通じゃないこともたくさんあると思います。何が普通で、何が普通じゃないかは自分ではわからないものだなぁと感じました。

次に読む本

水を縫う(寺地はるな)

刺繍が好きな高校生男子清澄、可愛いものが苦手な姉の水青。家事が苦手な母、何気ない夫の言葉に抑圧されて自由になれなかった祖母。出て行ってしまった謎多き父。同じ家族の中でも、目線が変わると見える世界は全く違っていて、抱えている悩みは皆違うという当たり前のことに気付かされていく。水青は結婚が決まっても可愛すぎるウエディングドレスは自分に似合わないと拒絶し、清澄がドレスを作ることに挑戦する。好きなものを大事にする清澄のまっすぐさや祖母の言葉に心が洗われ、頑なな心が少しずつほぐされていく素敵な物語。

だまだまこ
だまだまこ

男の子だからスポーツをした方がいいとか、女の子だから可愛いものが好きとか、そういうこうあるべきという型は世の中にたくさんあって、私たちは知らず知らずのうちにそれに囚われています。その型があまり負担に感じない人もいるけれど、水青のように母から求められる「普通」のためにすごく努力している人もいるはずです。そういう生き辛さを感じている人へ、自分の物の見方や好きなことをもっと大事にしていていいんだと優しく包み込んでくれるようなお話です。

だまだまこ
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どちらの作品も「普通」という言葉の意味について考えさせられました。「星の子」で感じた「普通ってなんだろう」という違和感は、「水を縫う」の優しい世界観で「普通じゃなくてもいいんだよ」と解きほぐされます。子供目線の物語から、幅広い年代のへと広がり、家族のあり方を考えさせられるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

だまだまこ

医療系勤務の読書好き女子。夫と2人暮らし。どこに出かけるのも本は必須。読書に没頭しすぎて、電車乗り過ごすこともしばしば。同じ本を読んだ仲間に出逢えるとテンション上がります。人生のバイブルは村山由佳さんの「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ。趣味はピアノとジグソーパズル。単純作業が苦にならないタイプ。

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