そして、ユリコは一人になった

そして、ユリコは一人になった(貴戸湊太)の次に読む本は

あらすじ

百合ヶ原高校に代々伝わる「ユリコ様伝説」。ユリコの名を持つ生徒は特別な力で護られ、学園内で大きな力を持つ。但し複数のユリコが存在した場合、「ユリコ様」になれるのは一人だけ。五人のユリコたちに迫る危機。最後に残るのは誰なのか。そして「ユリコ様伝説」に隠された秘密とは?

ぬぬに
ぬぬに

貴戸湊太のデビュー作。第18回の『このミステリーがすごい!』大賞、U-NEXT・カンテレ賞の受賞作。 超自然的な力によって護られているかに見える「ユリコ様伝説」の設定がワクワクします。学園の不思議系のお話が好きな方にはおススメです。どんでん返しに次ぐどんでん返し。周到に張り巡らされた伏線、仕掛けが最後に綺麗に収束していく展開が圧巻です。

次に読む本

六番目の小夜子(恩田陸)

地方の進学校に残る「サヨコ」という名のゲーム。三年に一度現れる「サヨコ」は学園に何をもたらすのか。そして「六番目のサヨコ」の年、転校生してきた少女の名は津村沙世子だった。彼女こそが「六番目のサヨコ」なのか?疑心暗鬼に駆られる生徒たち。そして遂に文化祭で事件は起こった。

ぬぬに
ぬぬに

直木賞作家、恩田陸のデビュー作です。1992年の作品ですが、いまだに読み継がれている名作です。 「サヨコ」は三年に一度しか現れないので、歴代の「サヨコ」は直接の面識がない。それでも伝承されていく「サヨコ」システムが、ミステリアスで抜群に面白い。文化祭劇の盛り上がりと怖さが未だに忘れられません。

ぬぬに
ぬぬに

『そして、ユリコは一人になった』『六番目のサヨコ』いずれの作品も、少女の名を持つ学校伝説、文化祭劇、伝承を維持しようとする謎の勢力。と、不思議と共通する要素が多いのです。 思えば学校とは不思議な場所です。建物は変わらないのに、毎年生徒は入れ替わり、数年も経てばすっかり構成員が変わってしまいます。両作は、学校という閉鎖空間だからこそ起こりうる不思議な現象、人の心の闇が生み出す超自然的な存在を、隠しテーマとして持っており、非常に魅力的な作品となっています。


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