猫にかまけて(町田康)の次に読む本

あらすじ

作者と飼い猫との日々が綴られたエッセイです。猫たちの奔放な行動に振り回されながらも、それらを「急降下爆撃」「サルーン」などと名付けて記録する作者の抜群のセンスが光ります。自由気ままに過ごす猫たちと作者の生活が、ユニークな語り口で描かれます。

sheep2015
sheep2015

本作の特徴は猫たちと作者が人間のように会話するところです。原稿を書いている作者のもとにやってきて「ほーん。なかなかうまく書けている。書けてはいるがどうも表現が表面的かつ軽薄で毫も心にしみてくるものがない。」と評してみたり、やけに人間くさい猫たちと作者は家族のように接します。また、猫の今際の際についても包み隠さず書かれており、正直そのような部分は読んでいて辛くなりますが、猫の死をも省かずに書くところにも作者の猫への愛が感じられる作品です。

次に読む本

ペット・セマタリー(スティーブン・キング)

ルイス一家が引っ越してきたのは、大型トラックが頻繁に行き来する道路と、そこで轢かれた犬や猫たちが埋葬される共同墓地がある町、ラドロワ。平穏な新生活を始める一家でしたが、ある日ルイスは飼い猫のチャーチがトラックに跳ねられて死んでいるのを見つけます。

ルイスの頭に浮かんだのは「死にはなにひとつ自然な点なんてない」と言っていずれ来るチャーチの死を受け入れようとしない妻のレーチェルと娘のエリーの姿でした。そんなルイスに、古参の住民のジャドは「埋葬した動物が帰ってくる」という噂のある、共同墓地の奥に隠された地のことを教えますが...。

sheep2015
sheep2015

ペットや家族の死に際して、もしも生き返ってくれたら…と願ってしまう人の性が招いた悲劇が描かれます。共同墓地の奥へと向かう道の描写も不気味ですが、なにより死を受け入れられずに共同墓地の奥へと足を運んでしまう人間の心の闇の恐ろしさが際立ちます。

sheep2015
sheep2015

「ペットの死」を扱ったノンフィクションとフィクションをひとつずつ選びました。ペットと暮らしながらも、いずれは来る死をどのように考えるか、それぞれの事情を抱える飼い主たちの考え方が対比できると思います。そしてもしも、「ペット・セマタリー」のような「死んだペットを蘇らせることができる」というイレギュラーな状況が実際に存在したら「猫にかまけて」の作者はどうしたでしょうか…

現実と虚構を対応させることで「死」という重いテーマをより深く考えられると思います。

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