あらすじ
たった80分しか記憶が続かない数学者=博士と、そこへお世話をしに行く家政婦さんと息子の愛の物語です。 記憶が続かないため、毎回、初対面という特殊な関係です。 それゆえトラブルもありますが、宿題を見てもらったり、数にかかわる話をしてもらいながら、徐々に絆を深めていきます。
数学にしか興味のない博士が、子どもへの無償の愛を示すシーンや互いの絆が強固になっていく展開はすごく心が温まります。 そして、何より、数学にまつわる話がたくさんでてくるので、数学の美しさ・魅力という新しい気付きを与えてくれる作品だと思います。 数学という普遍的な真理を探究する視点が、人生へも応用できるのではないかな?と考えさせられました。
次に読む本
フェルマーの最終定理(サイモン・シン)
300年以上、世界中の多くの数学者を魅了し、挫折させてきた圧倒的な難問“フェルマーの最終定理”が解決されるまでの紆余曲折を描いたノンフィクションです。 この物語は今から300年以上前の17世紀の一人の数学者が残したメモがきっかけとなります。
→「私はこの命題の真の驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことができない」
このたった一つの命題を解決するために、多くの国、時代の人が考え抜く壮大な歴史・数学ノンフィクションです。
一つの命題の証明を巡って、いろんな国のいろんな時代の数学者が織りなすストーリーが非常にダイナミックで面白かった。 数学的な論理展開も面白いが、数学の世界の歴史(時代背景や女性研究者の取り巻く環境等)も学ぶことができるという興味深い内容になっている。 数学の知識がなくても読める構成になっているので、幅広い層が楽しめる作品だと思います。
博士の愛した数式では、数学の魅力/美しさがいろんな言葉で表現され、読者の心をつかみます。 その数学への興味をさらに深められるものとして、フェルマーの最終定理を選びました。数学の知識がなくても、読みやすいです。 そのため、多くの方々が数学の不思議な魅力/美しさを実話ベースで体感できると思います。 長い歴史をたどりながら読めるので、とてもダイナミックでおすすめです。
コメントを残す