あらすじ
「私」は家政婦としてある老人の家に派遣される。そこに住んでいたのは、体中にメモを張り付けた元数学教授の博士だった。80分しか記憶が持たない博士は、大切なことをメモに残して手の届く場所に置いておくのだ。やがて、「私」の息子のルートも加わり、三人は静かで穏やかな日々の中で交流を深めていく。
次に読む本
フェルマーの最終定理(サイモン・シン)
数学界最大の難問「フェルマーの最終定理」に挑む数学者たちの挑戦と挫折、そして天才数学者の勝利を描いたノンフィクション。数式はほとんど出てこないので、数学が苦手な人でも問題ない。むしろ、数学の面白さが分からない人こそ、この本を読むことで、時に人をとらえて離さない数学の魔力に触れることができると思う。 |

amiek
限定的な記憶力を持ち、何かと不自由な生活を送る博士が、それでも愛し、執着する数学の魅力が、『フェルマーの最終定理』を読むことで(そのほんの一端かもしれないが)理解できるように思う。また、フィクションとノンフィクションとジャンルは分かれるが、読後に胸に迫るものがある感動作であるという共通点もある。
この記事を書いた人

amiek
アラサー大学院生。ヨーロッパ留学中だけど、素敵な生活感が全くない引きこもり。子供の頃から趣味は読書。好きな作家は、上橋菜穂子、三浦しをん、森博嗣(敬称略)。将来は、前後二列に本を置かなくてすむような大きな本棚が置ける家に住みたい。