あらすじ
砂漠に飛行機で不時着した「僕」が男の子に出会い、話を聞きながら物語が進行していきます。小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから地球にたどり着いた男の子は実は王子さまで、様々な体験を通して感じたことを「僕」に語る、といった内容。刊行後70年以上たった今も、世界中で読まれている作品です。
小さい頃から何度も読んでいる大好きな作品です。普段意識しない大事なことが、ギュッとこの1冊に詰まっています。自分の子供がもう少し大きくなってこの本と巡り合った時、読む前後で「一番たいせつなものは何?」と質問をしてみたいです。質問の答えとともに、空の見え方まで変わってくれたら良いな、と思います。
次に読む本
海辺のカフカ(村上春樹)
世界でいちばんタフな15歳の少年になるため、主人公の「僕」は誕生日に家を出て遠くの知らない街に行きます。一方、並行して異なる人物のストーリーが進んでいきながら最終的に交わっていく、といった内容。著者の圧倒的な表現力と日本語自体の美しさを堪能できる作品です。
初めて読んだのは高校生の時でしたが、正直「難しい」という記憶しかありません。ただ、大人になって改めて読んでみると、作品の中に多くの比喩表現が出てきており、それを身近なものに置き換えることで一気に読みやすくなりました。様々なテーマ性に富んだ作品ですが、主人公の旅を通して、「生き方」や「考え方」のヒントが多く隠されている作品だと思います。
どちらも作品内の「メタファー(比喩)」の捉え方が肝になっていると思います。読み手がどう感じるかで、作品からのメッセージ性が大きく変化します。『星の王子さま』を読んで、さらなる「哲学的な旅」がしたくなったら、『海辺のカフカ』はおすすめです。私はこの順番で読むことで、「大切なものは目に見えない」という、当たり前の様で人生の本質的なテーマの輪郭がはっきりしました。ただ、『星の王子さま』は童話でもありますが『海辺のカフカ』は違うので、同じ感覚で読むと間違いなく戸惑います。その点はご注意を。
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