マリー・ベル事件 11歳の殺人犯 ジッタ・セレニイ 林 弘子 訳の次に読む本

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あらすじ

11歳の少女が、幼い男の子の命を連続して奪うという、イギリスで実際に起きた事件。 主犯の少女は精神疾患を患っていたものとみられ『少年犯罪について』『精神疾患者の殺人の裁き方について』事件発生時からかなり時間がたって、医療や法律など変化したことが多いかもしれないが、とても考えさせられる一冊。

1968年5月、古い空き家で意識のない小さな男の子が発見され、その日の午後男の子の死亡が確認される。警察は当初事故死と判断。 事故にあったのはマーチン・ブラウンという可愛いらしい4歳の男の子。 親族へのマーチンの事故の知らせは二人の少女によってもたらされた。 マリー・ベルとノーマ・ベル。同姓だが血縁はない。 そしてマーチンの死亡翌日、またしても二人の少女が親族を訪ねてこう質問する 「マーチンがいなくてさびしいか」 「マーチンのために泣くか」 ニタニタ笑いを浮かべながら。 それから数ヶ月後、空き地でブライアン・ハウ3歳の死体が発見される。 ブライアンの死体は刃物で傷つけられていた。 最初のマーチンの事件のあと、 あたしは ころした だから また やってくる など警察を挑発するような4片の奇妙なメモが発見される。 事件発生から裁判記録のドキュメンタリーで、後書きまで読むとその時点での成人したマリーとノーマの記載もあります。

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翻訳書独特の長くてまわりくどい表現が多く、人物の心情などもいまいちニュアンスがわからない部分もあり、正直読みづらい一冊ではあります。 大昔に購入したこの本を引っ張り出してきたきっかけは、最近のあるムーブメントに対して、小さなお子さんを持つ保護者のインタビューをテレビで見る機会が何度かあったからでした。 大ブームになっているものを、たいていの子は要求するでしょう。 まずそれを与えるか与えないか、どちらにせよなぜそう選択するのか小さな子供にもわかるように説明を工夫し、与えた場合にもそれを死生観や家族の絆についての対話のきっかけにしたり、娯楽一つに対しても真剣に考えて、愛情深く精神的な成長を促し見守っていることに感心することが多かったです。 反面、3、4歳の小さな幼児に対して、 子供を信用しているから 本人の判断にまかせる と言うニュアンスの意見もみられ、精神的な独立を求めるのは早すぎるのでは?と違和感を感じる場合もあり、親や親族と子の関係を考えるきっかけになり、なんとなく思い出したのがマリー・ベル事件でした。

次に読む本

十字架のカルテ 知念 実希人

お葬式のシーンから始まるプロローグ。 主人公は親友を理不尽なかたちで殺されてしまった新米医師、弓削凛。 親友の死をきっかけに精神鑑定医を目指した凛は、その世界の第一人者で所属病院の院長である影山司に教えを乞うべく直談判する。 一話ずつ完結しながら、主人公凛自身の問題に全編通して向き合っていく。 プロローグから最終章に着地する構成も、ついつい一気読みしたくなる展開になっている。

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テンポの良い派手目なショートストーリーで構成されていて、幅広い層にウケそうな作品です。 あくまでもフィクションの世界なので、飛躍しすぎているところもあるかもしれませんが、医師でもある著者目線の医療現場を描かれているのか、臨場感がある作品でした。 キャラクターもわかりやすい個性を持っていて、気づいたらドラマ化される場合のキャスティングなんかを勝手に考えながら読みすすめていました! 特にラスボスに不足ない最終章の患者は誰にお願いしよっかな〜…など、一人遊びが楽しめる作品でもあります。

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精神疾患者の『罪』は誰が背負い誰が償うのか。 すごく難しい問題だと思います。 両作品ともにその正解が書かれているわけではなく、世の中が一体となって考えなければならないテーマとして書かれているのが共通していると思います。 また、十字架のカルテの中で影山医師は、”精神疾患者に対しての偏見”を問題視し、”誰もがかかり得るありふれた疾患である”ということの啓蒙が大事だという発言がときどきみられます。 ストーリーの中でも、家族が世間体を気にしたばかりに、患者の受診が遅れたケースなども題材にされていて、物語ではなく現実問題なのだなと考えさせられます。 実際に起きたマリー・ベル事件に関しても、実はマリーの母親、ベティもまた精神疾患を患っており、とても子育てができる状況ではありませんでした。 家族が、社会や周囲に助けを求めなかった理由の一つとして、世間から孤立しないためであることが記されています。 ベティの母親からすると、娘や孫娘が可愛く、精神疾患を疑いたくないという気持ちが勝ってしまったのかもしれません。 この二作品は、現実に自分が直面するかもしれない問題だと深く考えるきっかけになりました。


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