『シャイニング(著者:スティーブン・キング)』の次に読む本は『丘の屋敷(著者:シャーリイ・ジャクスン)』

あらすじ

アルコール依存症で落ち目の小説家ジャック。雇用先で暴力問題を起こし、困窮していたところに紹介されたのが、豪華ホテルの管理人という職だった。

妻のウェンディと息子ダニーと三人きり、雪で閉ざされたホテルで一冬を過ごすのだ。

しかし、ホテルには目に見えない悪意が住み着いていた。

次第に本性を表すホテルと徐々に狂っていくジャック…ホテルが狙うのはダニーの能力「シャイニング」だった。

屋敷幽霊という古典的なモチーフに超能力を絡めつつ、追い詰められていく人間の心理を深く掘り下げた傑作ホラー小説。

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単純なホラーではなく、アルコール依存症で社会的脱落者として追い詰められた父親の心理がこれでもかというぐらい書き込まれている点が本書のすごさ。

弱った人間の心を侵食してくる描写は、血まみれの部屋よりも恐ろしく感じます。

父、母、子それぞれが感じる社会に対する焦りや孤独は、誰でも身に覚えがあるものではないでしょうか。

次に読む本

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屋敷怪談の古典的傑作と言えば『丘の屋敷』です。この本は『シャイニング』の執筆にも影響を与えており、ある意味で『シャイニング』の元ネタ的本。

モチーフが共通しているのは偶然ではないのです。

『丘の屋敷』(著者:シャーリイ・ジャクスン)

『丘の屋敷』はいわくつきの幽霊屋敷で超常現象の研究をするために集められた男女4人。不気味な現象が次々と起こる中、主人公のエレーナは徐々に屋敷に取り込まれていきます。

この本で目を引くのは、主人公エレーナの孤独感です。母の介護生活に追われ、「母を死なせた」という罪悪感に襲われながら、今は姉夫婦の家に居候の身の30代。友人も恋人も社会経験もなく、自分の居場所をこの世界のどこにも見つけられない女性です。

『シャイニング』にしろ、『丘の屋敷』にしろ、真に恐ろしいのは怪奇現象そのものではありません。

社会的に居場所がなくなった人間が狂気にとりこまれていく、その様子なのです。

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『シャイニング』は男性目線、『丘の屋敷』は女性目線という違いはありますが、人間にとって最も怖いのはこの世界でのよりどころを無くすことではないでしょうか。

『シャイニング』のジャックには家族という居場所がありましたが、『丘の屋敷』のエレーナには…。

この差が2つの作品の結末を分けている所以ではないかと思います。

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この記事を書いた人

BRveyu

インドア派の多趣味人間。本業とは関係ない知識に多数手を出しては捨てを繰り返しています。数学、英語、株式投資、簿記、FP、画像編集、麻雀等々、最近ではプログラミングに手を出し、VBA、GAS、HTML、CSS、Javascript、WordPressカスタマイズを転々としている日々。身に着けた知識はWebライターとしての副業に再利用中です。小説は海外ミステリー、ホラー中心で読んでいますが、最近ではノンフィクション、知識の解説書に偏る傾向があります。