映画化される、ということで読んでみました。病院が舞台、というのが知念さんらしいですね。
あらすじ
主人公の外科医速水は、先輩医師の代わりに、臨時で当直医を引き受け、田所病院へ来た。その夜、ピエロの仮面を被った男が病院へ来る。人質の川崎愛美は銃で撃たれてケガをしている。
ピエロは愛美のケガの手当てと、田所病院で夜を明かすことを要求する。院長は要求を受け入れる。
院長は、事を荒立てずに朝が来るのを待つ方針だが、速水はピエロの意図を探り始める。そのうち、速水は、田所病院の秘密にも気づく。
田所病院は、臓器移植を行っていた。単なる移植ではなく、ホームレスの臓器をお金持ちの患者に売りさばいていたのだった。
次に読む本
わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)
介護人として働くキャシーが、過去を振り返る形で物語が展開していく。同じ施設(ヘールシャム)で育ったキャシー、トミー、ルースの三者の関係が、淡々と描かれる。
臓器移植繋がりで選びました。ピエロの話も、ほんの少しだけ出てきます。
ヘールシャムで育った子供たちは、実はクローン人間で、臓器提供のために生まれ、育てられてきた。 何回か臓器提供すると、体が耐えられず、死を迎える。
ルース、トミーは臓器提供者として使命を果たす。キャシーは二人を見送ったあと、介護人としての仕事を終え、臓器提供者となる。
臓器提供者として生かされていることを、キャシーたちが受け入れるのが凄いなと思いました。自分だったら、理不尽な状況を受け入れられるだろうか。
時限病棟(知念実希人)では、田所病院がまた舞台となります。こちらもおススメです。
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