1月30日に読む本は「ガンディー 平和を紡ぐ人」竹中 千春

非暴力不服従を貫き、インド独立などに貢献したガンディー。イスラム教に寛大であったために、ヒンドゥー教を熱烈に支持する者によって殺されました。

1948年1月30日は

ガンディーが暗殺された日

今日読む本は、ガンディーの生涯を解説した新書を紹介します。

ガンディーは、イギリスに渡って勉強し、弁護士になる。南アフリカに仕事に行く途中では、インド人だったために、一等車から追い出される。

ガンディーは、南アフリカでの仕事を終えた後も、現地のインド人の処遇向上のため、南アフリカに腰をおろすことにする。

ボーア戦争では、イギリス軍に協力し、後方支援で活動する。

この頃はまだ非暴力を徹底していなかったようですね。

インドに戻ってからは、インドの独立を目指してたたかいます。ただし、暴力はもちいません。

有名なのが「塩の行進」です。イギリス本国の都合で塩税が課税され、インド人には決める権限がない。ガンディーたちは、抗議のため、海まで300キロメートル以上も歩き、自分たちで塩を手に入れます。

世界史の教科書でも出てくる、有名なお話ですね。しかし、まだインド独立までの道は長いです。

世界恐慌、第二次世界大戦と、歴史が大きく動くなかで、インドの独立はなかなか実現しません。インド人が一枚岩ではなく、カースト制度や、宗教の違いもあります。ガンディーはインド内部での争いにも悩まされます。

第二次世界大戦が終結した後、ようやくインドは独立にこぎつけます。ヒンドゥー教の人たちはインド、イスラム教の人たちはパキスタンと、それぞれ別の国として独立を実現します。インドに住むイスラム教の人はパキスタンへ移動し、パキスタンに住むヒンドゥー教の人はインドへ移動する難民となる。逃げ遅れた人は、殺される、暴行される、人身売買される、などに見舞われます。

そんななかで、ガンディーは、ヒンドゥー教徒であった過激な考えの青年に暗殺されます。

「非暴力を貫く」は、今の視点で見れば凄いことですが、実際の歴史の当事者が「まどろっこしい」と考える側面はありますね。

「非暴力にこだわらなければ、もっと速くインドは独立できたはずだ」みたいな考えもあり得ますよね。

マハートマの意味

マハートマは、「偉大なる魂」という意味だそうです。

この本を読むまで、マハトマ・ガンディーが本名だと思っていました。

本名は、モーハンダース・カラムチャンド・ガンディー、というそうです。

少年時代の盗み

ガンディーも、子供のころは、一般的な少年だったようです。タバコを楽しむためのお金を盗んだこともあるそうです。

「盗み」はよくないことですが、自分の過ちに気づき、親に告白するのは凄いと思いました。

妻や子たちは大変

ガンディー自身は、自分の信念に基づき、どんな苦難にあっても耐え、命の危険があっても受け入れるつもりだったのでしょう。しかし、家族たちはそれに振り回される側面もあったようです。長男ハリラールは、父に反発して家出したそうです。他の子たちはガンディーの生きざまを受け入れたようですが。

偉人と呼ばれる人の家族は確かに大変かもね。

キング牧師やオバマ第44代大統領にも影響を与えたガンディー。彼の人生を詳しく知ることが出来る本でした。教科書だと偉大な功績がクローズアップされますが、少年時代の話や、インド人同士の対立に葛藤する姿なども描かれていました。




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