2月14日に読む本は、チョコレートはなぜ美味しいのか(上野聡)

2月14日は

バレンタインデー

バレンタインデーにはチョコレートを贈る習慣がありますね。そこで今日読む本は、チョコレートの美味しさを解明しよう、という本です。

チョコレート自体は甘くない

チョコレートは、砂糖を加えて、お菓子として食べることが多い。このため、消費者が口にする時点では、甘い食べ物、といえるが、チョコレート自体には甘みはほぼない。むしろ苦い。

チョコレート油脂は融点が高い

チョコレートの原料はカカオ。カカオ豆をローストとして粉砕しカカオマスを作る。カカオマスを圧搾すると、ココアバターが得られ、ココアバターを固めるとチョコレートになる。

チョコレート油脂は融点が高い。摂氏30度くらいで溶けはじめる。食べる前は固体で、口の中に入れると体温で溶ける。

温度と、結晶の割合とを、チョコレート、オリーブオイル、バターと比較したグラフが載っていて分かりやすいです。

ココアバターの結晶

ココアバターの結晶は6種類ある。その中で、美味しい、と感じるテクスチャー(食感)になるのは、たったひとつ、Ⅴ型の結晶だけ。

Ⅴ型の結晶を作るのは、テンパリングという工程が重要になる。チョコレートを50度前後に温めて、溶かし、25度程度まで冷やす。そしたら、また30度~31度まで温める。

チョコレート職人は大理石の台でチョコレートをヘラで広げてテンパリングを行う。現在はテンパリング用の機械もある。

素人が市販のチョコレートを溶かして使うと、Ⅴ型結晶が上手く作られず、美味しくない可能性が高いそうです。やはりプロは凄いですね。

現在こそ、科学が進歩してテンパリングの仕組みが分かってきましたが、職人の経験と技術は素晴らしいですね。

チョコレート以外にも、マヨネーズ、マーガリンの科学も紹介されている。

実験室の科学では純度の高い物質を対象にするのに対し、食品の科学では、純度は高くない物質を対象にしています。そのせいもあってか、まだ科学で解明されていない現象も多いようです。ちょうど、チョコレートのテンパリングが、昔は職人の経験でチョコレートが美味しくなることがわかっても、美味しくなる仕組みが解明されていなかったように。

とはいえ、まだまだ解明されていない点もあります。Ⅴ型の結晶の立体構造などは、まだ解明されていないそうです。このように、開明されていない点は開明されていない、として、少しずつ理解を広げていこう、とする科学者らしい態度が素晴らしいですね。




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