2004年芥川賞受賞作品。作者が最年少で受賞したことも話題となった。
あらすじ
高校生の女の子ハツ(初美)が主人公。その同級生の男の子にな川との交流を描いた作品。
ハツもにな川も、クラスには上手くなじめていなかった。にな川は、モデルのオリチャンのファンだった。ハツが、「オリチャンに会ったことがある」とにな川に告げ、二人はその場所へ行く。また、オリチャンのコンサートへ一緒に行ったりもする。
ハツと一緒にいるにも関わらず、オリチャンの話ばかりのにな川。その背中をハツは…
冒頭の「さびしさは鳴る。」から、表現が凄いのですが、読み進めていくと、蹴りたい背中のハツの描写で、
「砂抜きしていないアサリを食べてジャリっとした感じ」
がありました。聴覚と触覚と味覚(?)を描写したのが面白く、印象に残っていました。
さて、アサリを上手く砂抜きするには、、、
次に読む本は?
手のひらの京(綿矢りさ)
京都に住む三姉妹暮らしを描いた作品。おっとりしていた長女は恋愛・結婚へ。積極的な次女は、会社では先輩に目をつけられ、いじめられる。大学院で研究している三女は京都を離れて就職する。
登場人物の内面を描く描写は綿矢りささんらしい作品です。京都の四季の描写がきれいなのも特徴です。
手のひらの京では、三女の奥沢凜が「アサリを砂抜きする方法」を紹介していました。
アサリの砂抜き、10年越しの伏線(?)で回収されました。
このネタは抜きにしても、読んでほしい作品です。
似鳥鶏さんの市立高校シリーズだと、書籍をまたいだ伏線があったりします。
葉山くん(私立高校シリーズの主人公)の妹に、ある特徴があります。
「昨日まで不思議の校舎」では「トンカツをもぐもぐ噛みながら言った」という記述があり、「家庭用事件」収録の短編「優しくないし健気でもない」で明らかになります。
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