あらすじ
「苦しまずに自殺する権利を法制化してほしい」
なかなか衝撃的な書き出しで始まる本書は、人生を”攻略がきわめて困難なゲーム”つまり無理ゲーに例えている。何が生きづらくさせているのか、いくつかのテーマに沿ってかなり深く書かれている。
QP
難しい内容も多く、すんなり読めるとは言いづらい。更にテーマそのものが重く深刻なもので攻略法はついぞ最後まで教えてくれず…なので、まあまあ絶望感に苛まれる。
次に読む本
彼女は頭が悪いから 姫野カオルコ
東大生5人が1人の少女を輪姦した。
衝撃的なニュースが報道されるまでの数年を、登場人物のエピソードでつないでゆく。
加害者である東大生はそれぞれ輪姦の事実を否認する。嘘をついてるわけでも誤魔化そうとしているわけでもない。
“ちょっとふざけすぎただけ”
心の底からそう思っているのだから。
QP
社会の優勢組に対する”じゃない方の人”たちの嫉妬心や羨望、優勢組の選民意識を、あくまでもフィクションだからこそ大袈裟に表現されているようで、わかりやすく嫌なやつらは嫌なやつらすぎるし、主人公は素直で隙だらけすぎるし、嫌な気分になるけどおもしろかった。
QP
彼女は頭が悪いからは、いわゆる親ガチャ、遺伝ガチャで当たりを引いたような人物たちの物語。
フィクションだからこそ、自分の人生を自分でコントロールしてる組と、理想はあっても思い通りには進めない組のコントラストがはっきりしているが、高飛車で嫌味なやつらにもやがて無理ゲーの壁にぶち当たることもあるだろう、と思えるような娯楽作品を無理ゲー社会の後にはおすすめしたいです。
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