あらすじ
主人公の僕はあることがきっかけで輪廻転生から外された魂として彷徨っていたが、天国業界の抽選にたまたま当たってしまう。そして、自殺をしようとしていた少年「真」に乗り移って、自分が犯した罪を思い出すことを課題として出される。ぼくが犯した罪とはなんだったのだろうか?真と周囲の人が絡み合って紡がれていく人間味の溢れる青春ストーリである。
カラフルは人間の姿を現実的に捉えている物語です。主人公が真として周りの人たちと関わっていくに連れて人間の長所や短所が見えてきます。その中でぼくが人間の多くの考えや感情に出会いながら、人間の事を学んでいきます。リアリティのある青春ストーリーで非常に面白い作品となっています。
次に読む本
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)
主人公の大学生多崎つくるはとても気の合う4人の親友たちがいた。しかしある日にその4人から絶縁を申し出される。理由も聞かされない絶縁の故に死の一歩手前まで行きつつもなんとか生きている多崎つくるに、恋人である沙羅と出会う。月日が流れたある日に沙羅に促されて、あの時の絶縁の理由を探していく。これは、拒絶という大きな苦しみを味わった経験を元に、多崎つくるが何を感じて生きていくかを紡ぐ物語である。
主人公の多崎つくるは親友との絶交で死の手前まで追い詰められてしまう。多崎つくるはそこで色々な心理的な経験をする事になるが、死の間近の中で多くのことを学ぶ姿は非常に興味深くて面白かったです。そして、過去のトラウマを克服して色々な人と関わりを持っていく中で多崎つくるという人物の面白みが徐々に現れてくるのも楽しめるポイントだと思います。
どちらの本も「死」という単語が重要であります。「カラフル」では、乗り移った肉体である真が自殺してしまった理由を探します。「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」では、人から拒絶されたことが原因で死ぬ事に対して向き合っていきます。どちらも死という経験をしていくことで、より現実的かつ多彩な感情を見ることができます。「死」という単語に興味がある人は、この2冊を読むことで多くの事を学べると思います。
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