あらすじ
小学5年生の椎名きさらは、母子家庭で貧困な家庭で暮らしている。母親から躾(実際には虐待)をされている。「自分が悪いからだ」「母親は自分のためにしてくれている」と思っていたが、遊馬先生や同級生の翔太などと話すうちに、自分は虐待されていることに気づく。
椎名綺羅は、女手一つで娘を育てているが、娘には厳しい躾をしている。綺羅が昔働いていた風俗店のオーナーが刺殺される事件が起き、警察は綺羅を容疑者としてマークする。
綺羅は、殺人事件の起きたときは娘と一緒に居た、と言う。きさらも自信をもって同様の証言をする。
↓ここからネタバレ
きさらは、自分の母親を殺した。
綺羅は、大きくなったきさらだった。(「きさら」パートと「真壁」パートは異なる時間軸だった)
綺羅の娘は、殺人事件の時には家に居なかったため、綺羅のアリバイは崩れた。
子どもへの虐待が連鎖していく、という辛いお話です。このトリックにすることで、虐待の連鎖、を強く印象付けています。
次に読む本
「あの子の殺人計画」はもちろんフィクションです。
現実に、虐待されている子供はどのような生活なのでしょうか?
ジソウのお仕事(青山さくら、川松亮)
児童相談所(ジソウ)の実際の姿をショートストーリー50本で紹介する。また章末では「児童相談所ってどんなところ?」「子ども虐待対応の現状はどうなっているの?」といった疑問への解説が書かれている。
虐待にかんしては、2018年のデータで
と、心理的な虐待が多くなっていることが分かります。子どもへの暴力が良くないのはもちろんです。それだけでなく、配偶者への暴力も、子どもへの心理的な虐待、と判断されるそうです。
「あの子の殺人計画」は、ミステリーとしてよくできた作品です。それだけでなく、虐待について、すごく考えさせられました。そして「ジソウのお仕事」を読んでみました。
虐待に関する現実は、つらい部分もあります。「あの子の殺人計画」を読んだ人には、より詳しく知ってもらいたいとおもいました。
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