『5分後に意外な結末 ベスト・セレクション』桃戸ハルの次に読む本は

あらすじ

もともと、学研から児童書として刊行されていた人気シリーズのベストセレクションとして、2019年の10月からリニューアル版の刊行がスタートしています。

リニューアル版の版元は講談社文庫で、2026年1月現在、全8冊が刊行されています。

児童書の人気シリーズですが、欧米の小噺や国内の文豪が手がけたショートショートなどがバラエティー豊かに収録されており、老若男女問わず、様々なシチュエーションで肩の力を抜いて楽しめます。

作品の特性を踏まえ、各作品のネタバレは避けています。

例えば夜、布団に潜り込んでから眠りに落ちるまでの時間にも最適な、職人芸の散りばめられたショートショートでした。

少しひやっとするものから心温まるものまで、含蓄が深い人生訓も含めて各作品の読み味は多岐にわたり、各編が短いこともあって、ふと気がついたら最後まで読み終えているような印象。

知らず知らずのうちにすっかり騙されているというケースもありますが、一方で、ふと登場人物たちの言動や情景描写などに違和感を覚えることがあり、やがてその違和感がラストの驚愕に結びついているケースも少なくありません。

心地よいカタルシスを体験できる作品もあれば、ショートショートという形式を活かして、あえて余白を残した作品もあります。作中で語られていない部分に想像を巡らせたり、ほのかな余韻に浸ったりと楽しみ方はまさに十人十色で、長きにわたって読者から高い評価を得ていることも頷ける作品集でした。

次に読む本

『3分で仰天! 大どんでん返しの物語』このミステリーがすごい!編集部

最後の1行、あるいは最後の1ページで繰り出される、あっと驚くどんでん返し。

宝島社より刊行されている「ショートショート」シリーズの中から、選りすぐりの作品を凝縮した傑作選です。

執筆陣のラインナップは、
『チーム・バチスタ』シリーズの海堂尊
『岬洋介』シリーズの中山七里
『珈琲店タレーラン』シリーズの岡崎琢磨
『元彼の遺言状』の新川帆立
『木曜日にはココアを』の青山美智子
など注目の作家が勢揃い。

通勤や通学などのスキマ時間に心を満たしてくれる1冊をお探しの方におすすめです。

最後の1行、あるいは最後の1ページにこだわったミステリ色の強いショートショートなので、あらすじでは本書の概要をまとめるにとどめました。また、感想においても各作品のネタバレは避けています。

一般的な短編よりもさらに短いショートショートであるため、文章に1行たりとも無駄がなく、美しいまでに贅肉が削ぎ落とされている印象がありました。

各作品の読み味は、ちょっと怖い話、温かい余韻が残る話、思わず考えさせられる話など様々で、作中のどんでん返しに騙されるかどうかは、読者が普段からどの程度ミステリに慣れ親しんでいるかにもよるでしょう。

私の場合は、少し身構えて読んでいても著者の工夫にまんまと騙される作品がいくつかありました。

一つひとつの作品は小粒でも満足感は高めで、収録されている作品につながりはないので、どの作品からでも気軽に楽しめます。

例えば、目次に付されている一言コメントを参考に選んでもよし。あるいは好きな作家や、これまで気になっていたもののまだ読んだことのない作家の作品から読んでみるのもよし。

ページ数の制約から作中に大掛かりな要素を盛り込めないため、それぞれの作家の個性や技が光りやすく、さすがというべき職人芸を堪能できます。

巻末には、収録された作家のプロフィールが一覧にまとめられているので、新たな作家を発掘したい方にとっては良好なコンパスにもなり得る1冊です。

おススメポイント

「どんでん返しを含むショートショート」という共通点を持つ2冊を紹介しました。

すでに各作品の感想でも触れた通り、ショートショートという形式の制約があるため、文章の無駄を削ぎ落としつつ、いかに読者を驚かせるかということも、書き手に課せられた重要な課題だと思います。

初読の際には気持ちよく騙されるのも良いですが、気持ちよく騙された後はもう一度最初から物語を味わってみて、作者の企みをじっくりと観察することもおすすめです。

特に2冊目はミステリ色が強いため、再読によって新しい発見があるかもしれません。




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