あらすじ
かつてミュージシャンを目指し、光を掴みかけたものの、理不尽な理由から夢を奪われ、「どん底」の日々を過ごしてきた著者。
絶望的な体験を経て、それでもなお小さな光に向けて懸命に手を伸ばしながら立ち直っていく、というコンセプトに基づいて綴られた珠玉のエッセイです。

全編を通して、人知れず「息苦しさ」を抱えながらもがいているすべての人に向けた、優しい言葉があふれていました。
あなたは、どんな言葉で傷つきますか?
あるいは、どんな言葉に救われますか?
その答えは一人ひとり違うでしょう。
単純に人によって違うだけでなく、同じ人でも時と場合によって他人の言葉から受ける影響は異なるかもしれません。
特に真面目で優しい人ほど、無神経な誰かの言葉に傷つき、もっと頑張らなければと自分を責め、少しずつ心身をすり減らしながら絶望の海にとらわれてしまうようです。
絶望の海でもがき続けた著者が気づいたのは、自分の歩幅で丁寧に暮らすことの大切さと、世の中にあふれている不合理を愛し、受け入れていくことの尊さです。
人生の中で行き詰まりを感じたら、「うまくいかなくても大丈夫」「自分の代わりはいくらでもいるのだから、好きなように生きてもいい」とおおらかに考えることも大切だと思えました。
他人の目を気にしすぎるのではなく、自分の下した決断に納得できるかということに着目して、日々を一歩ずつ生きてみるのはいかがですか?
次に読む本
『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン
40歳を迎える目前まで、「頑張る」ことを目的としてがむしゃらな日々を送っていた著者。ビジネスパーソンとイラストレーターという二足のわらじを履き、身も心もすり減らし続ける日々のさなか、あまりに冴えない自分の人生に嫌気がさし、ほぼ衝動的に会社を辞めてしまいます。
まっとうな社会人としてのスーツを脱ぎ捨て、人生を賭けた実験と称して昼間から本を読み、ビールを飲むような生活を始めた著者。
「一生懸命生きる」こと、ひいては他人の目を気にすることをやめた著者が見出した、自分らしく生きるコツが赤裸々に綴られています。

本書の冒頭には、「人生とは速度ではなく方向である」というゲーテの言葉が引用されています。
一生懸命生きるというのが、人生のアクセルを目一杯に踏み込むということであれば、ゲーテの言葉にある方向とは、他人の目を気にせず自分のやりたいことができているか、ということでしょう。
普段から、とにかくアクセルを強く踏むことだけを意識し、一体どこへ向かっているのか、自分が何をやりたいのか、ということを顧みるゆとりがないという人がいるかもしれません。
しかし、考えてみてください。一度きりの人生はあくまであなたのもので、他人のものではありません。他人の言葉に従って速度や進む方向が決められるというのはおかしな話なのです。
何かに挑戦することは確かに素敵なことですが、それは本当にあなたが選んだ道ですか? 他人の視線や価値観に人生を支配されていませんか?
人の目を気にして神経をすり減らしてきた人が頑張ることをやめた時、視界が開けて見えてくるものがあるかもしれないと感じました。
おススメポイント

二つのエッセイに共通するポイントは、他人の目を気にしすぎて心身をすり減らし、自分を見失っている人に向けた優しいエールだと思います。
何でもかんでも頑張りすぎなくていい。
他人の評価基準ではなく、自分の評価基準に従って行動するべき。
(他人の目を気にして)失敗を過剰に恐れる必要はない。
人生は不合理なものであることを受け入れ、自分らしい生き方を愛する。
というように、共通するメッセージが数多く見つかります。
何かに挑戦することや努力をすることは確かに素敵なことですが、仮に何かに挑み、失敗したとしても過剰に落ち込む必要はありません。もともと自分には向かないことを、人目を気にしながら無理をして続けているというケースも考えられます。
今、挑戦していることが本当にやりたいことなのか、無理をしすぎていないか、ほかに自分らしく生きる道はないか、ということをじっくり考えるきっかけを与えてくれる二冊のエッセイを紹介しました。


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