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「ボールのようなことば。」著:糸井重里の次に読む本は

あらすじ

たとえば、サッカーを始めるとき、夢のゴールを目指して、まずはじめに手に入れるものは、『ボール』
サッカーに限らず、球技にはボールが必要ですが、”ボールがすべてのはじまり”と言える。
ついひとは皆、うっかりゲームのしくみがわかるルールブックや最短距離で飛べるスキルを磨く訓練を先に手に入れようとしてしまうもの。
夢を望む「目」は、ゲームの仕組みを知ることではなく、自分が放ったボールの行末を見るためにある、と、本詩集の冒頭で、糸井さんは語る。

きっとここにある『ボールのようなことば』というのは、そのコトバが誰かの心に届けられて、受け取った読者のなかに生まれた確かな気づきが、ゴールに向けて走り出せる「起点」(きっかけ)を生むことができたら…という、著者の想いが込められているのではないかと解釈しています。

少し前置きが長くなってしまいましたが、この本を手に取った読者の一人ひとりにとって、夢を掴むための「はじめの一歩」となる殊玉の詩がさらさらと流れるように優しく、素直に綴られています。作中の詩をすべて噛み締めたあと、すべてのはじまりはわたし自身であり、タイトルの意味が腑に落ちる瞬間がありました。

理由探しや技術を磨き上げる前にまず、自分が起点(手本)となり、夢のゴールを掴みにいこう!そんな確かな意欲を湧かせてくれた御守りのような一冊です。

きっと、詩の中で「そうそう、共感!よくぞ、言葉にしてくれた」と、それまで自分のなかで未消化であったモヤモヤや悩みが軽くなり、暗闇のなかに揺れる灯りのような言葉がひとつは見つかるはずです。

糸井さんらしい、ありのままの素直で核心をつく語りで自分の気持ちを代弁してもらい、スッキリ感を味わえました。
少なくシンプルな文字のなかに込められた真理に、同じく文章を届ける者として、大切にしていきたい何かに気づくことができました。
この本を生んでくれた著者の糸井重里さんに深く感謝しています。

さて、あなたがボールを渡したい相手は誰でしょうか?

心に残った詩のフレーズ

“未知な世界に無知なオレがいく”

honno-akari

とても素直に、未だ見ぬ世界の不思議に期待する喜びが伝わってくる一節ですね。

これから出逢う未来を面白がり、知りたがる。
そんな好奇心を携えて、夢の扉をノックしていきたくなりました。

“それぞれの胸に刻まれたことが、あとで「よかったな」と思えるようになるといいですね”

honno-akari

離婚や失恋、親友との絶縁など、生きていると、違う環境でそれぞれに流れる時間の速さのなかで、ほんの些細なすれ違いで会えなくなってしまったり、愛情をかけた分深い憎しみとなって、互いを傷つけあってしまうことがある。
誰かを深く愛するほどに、傷つくことも増えてしまうけれど、わたしは信じていたい。
きっといつの日か、それぞれに刻まれたお揃いの記憶が幸福な想い出として、人生の最期には互いを許し、あの時があったから今がある、と。

もしかしたらそう思えるようになるまでには、共に過ごした季節の倍以上の年月がかかるかもしれない。
傷が深いほど、歳月はかかるけれど、きっと当時の私が患った病もしあわせに生きれるように、神様が授けてくれた試練であり、人間の器を広げてくれたのだ、とわたし自身も30年かけてやっと向き合える勇気を持てました。
悪い出来事もきっとしあわせになるための天からのギフト(定め)なのかもしれません。

今はなかなか連絡取れなくなってしまった、大切なひととの別れで悲しみに暮れている親友に贈りたいコトバです。
読んでくれてたら嬉しいな。

“「わからないですね」ってしっかり言える人って、僕はやっぱりかっこいいと思うんですね。
何がどういいのかわからないですが、とにかく息が楽になると思います”

honno-akari

これ、とても短い言葉で、あらゆる意味に転用できるし、本質をとても上手に表現しているなあと、改めて著者を尊敬したフレーズ。
新卒のときに言われたかったコトバだなあ、とひとりで感嘆の声をあげてしまいました。
一見、当たり前というかどこでも転がっているフレーズではありますが、この詩の末尾に書かれていた二行目の一文。
強がって、弱さを見せまい、嫌われたり、できないやつと思われたくないから、素直になれず、本音とは裏腹なことをつぶやいてしまう。

人間であれば、当たり前に感じる欲求であり、「恥を知る」ことは歳をとるほどに臆病になってしまうもの。
わたし自身も「わからないから教えて」と弱さをさらけ出してみると、はじめは恥ずかしいけれど、できないことを人に頼ってみると、意外にも相手は喜んで教えてくれるし、悩む時間が嘘のように解決して、何より息がしやすくなった。
最後のこの一文は、息が楽になるということは生きやすくなるとも言い換えられる。
相手を思い遣るために、強がる局面が必要な時ももちろんあります。
それでもきっと、何事も素直な心で、頼ってみる。
そうすると、周りに漂っていた二酸化炭素は酸素に変わり、頼られたひとも美味しい酸素を吸えて、生き生き輝けるのかもしれませんね。

わたしも明日から強がりをやめて、たまには息を楽に、酸素の循環を巡らせていきたいと思います。

“つくるときの「初心」も大事だけれど、知ってもらいたいという「初心」も大事にしよう”

honno-akari

どんなものづくりも価値が生まれるのは、その価値を届けたい相手が目の前にいて、その人に語りかけるように心を込める営みのなかでしか、真に愛される名作は誕生し得ないのでしょう。
たった1人でもいい、この記事が身近な友人に届いて、明日がちょっと楽しみに息が楽になれたなら・・・
この二つの初心は目的を果たせたと言えるのかもしれない。

折に触れ、傲慢と慣れが、天狗の鼻を伸ばしかけた時、この本をポケットに「初心」に立ち返りたいと思います。

もちろん読む人の数だけ解釈があり、捉え方、感じ方はさまざまです。
経験の幅も深さも積み重なる度に、同じ詩でも、読むシーンや年代によって感じ方が異なっていくでしょう。

ぜひ、言葉が魅せる鮮やかな風合いを自由な視点で楽しんでみてください♬

わたしはこの本とともに、新年の初旅を新幹線のなかでのんびり浸りたいなあと思案しています。
長い文章や難しい小説に疲れたときは、箸休めに車窓からの景色を眺めながら、美味しい駅弁のお供にぴったりな一冊でしょうか♡

次に読む本

「るきさん」著:高野文子

どこまでも自由で、日々を愉しく豊かに生きる医療事務のるきさんと彼女の親友であり、ブランド品やおしゃれな服に目がなく、東京で働く博識なバリキャリOLのえっちゃんの30代、独身女性ふたりの友情をテーマにした漫画です。
ふたりのつかず、離れずな心地よい距離感が織りなすユーモア溢れる日常を豊かに描いています。
オールカラーの文庫サイズで読めるじわじわ痛快コミックエッセイです。

物語の端々で思わずクスッと笑える、あるあるネタや切り口のセンスに脱帽・・・!
電車で読む方は、スポーツ新聞はもとより、マスクをして楽しんでくださいね
(うっかり口元が緩み、にやけててしまうので)

女子旅本のおともにも良さそう?

本コミックに出逢ったきっかけ:
この本との出逢いは当時、住んでいた東京のまちの片隅にあった近所のモーニングに通っていたお店のママさんにプレゼントしていただいた休日の朝のこと。

いつものように目玉焼きと美味しいトーストを頬張りながらふくふくしていると、ふいに「これ、よかったら読んでみて」とて渡してくれました。文庫本サイズなので小説かなと思いきや、まさかのフルカラーのコミック、、。
このお店に行ってなかったら出会える術もなかったかもしれない、、、
わたしにとって最初で最後の、棚ぼたな至福の贈り物でした。

素敵なギフトをくれた焼き鳥屋さんにまた必ず会って直接お礼を伝えにいこうと思います。
もし、この記事を見つけてくれていたら、いいな。
この場を借りて、、
改めて素敵な一冊に出逢わせていただきありがとうございます。

honno-akari

読み始めると、とても自由でちょっと雑だけれど愛嬌のある、るきさん。街のパン屋カフェで焼きそばパンを頬張りながら、うたた寝するシーンには「これわたしやん!」と思わず吹き出してしまい、一気に本作のファンになってしまいました。あなたの街にいるるきさんをつい、探したくなります。
著者のリアルで、細かい人間観察力には、そうきたか〜と痺れました。

最後の突飛なシチュエーションには、まじか!と少し複雑な気持ちになりましたが、皆さんはどう感じるでしょうか?(笑)

そんなラストも含めて、愛すべきるきさんらしさが詰まった一冊です。

年末は、二十四の瞳でも読んでみようかなあ〜。
そんな衝動に駆られたい方はぜひ、コートのポケットに一冊忍ばせて楽しんでみてください*♡

おススメポイント

honno-akari

過去に寄稿した記事は、お堅いビジネス書や長編の小説が続いていたので、今回は、年末年始の帰省の移動中に車内でおやつを食べながらさらっと読める軽やかな2冊を選んでみました。

読書に未だ慣れてない初心者の方でも、言葉の持つ力や奥深さ、そして、気楽な気持ちになれる癒しを感じたい!そんな方が楽しめる本ではないかと想像しています。

新しい年のはじまりを、温かい言葉とクスッと笑える陽だまり本とともに迎えてみませんか?

この記事を書いた人

honno-akari

honno-akari

数年前ライターになり、一年ほどチームで執筆行う。
読書とブックカフェ巡り、古書店をこよなく愛する。
季節を感じながら走ることも好きです。

30代
海辺でのんびりおうちリノベ暮らしが夢。
読書の魅力に目覚めて、少しでも作家さんの著書と待っている読者のニーズのマッチングに貢献できれば本望です。

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