あらすじ
毎年約三万人の親子の診療を行っている医学博士が、しっかり食べているはずなのに体調不良を訴える子どもたちを診療し、見た目は普通であるのに、隠れた栄養失調を抱えた子どもたちの多さに驚く。
そして食事の内容を変えることによって変わった子どもたちの健康状態から、病になる前の栄養の摂り方を丁寧に解説する。
具体的に、不足しがちな栄養素に有効な食材の提案も多く解りやすい。

成長していく子どもたちへの栄養というテーマながら、自分の子ども時代はもちろん、現在の食生活までも反省させられた。
大人になると、自分の体調不良の原因を食事か?と疑うこともできるが、子どもは「通常」がわからないため、親やまわりの大人たちの理解とサポートが求められる。
能力はあるのに勉強やスポーツで高いパフォーマンスを発揮できなかった子どもたちが、バランスの取れた食事に変えるだけで全く違う結果を出すという現実。
これはどんな学習塾やスポーツクラブより優先されるべきものだろう。
脂質や糖質たっぷりのファストフードやスナックでポッチャリとした体型でありながら、体の奥では深刻な栄養不足を起こしているという実態はかなり多く、根深いのではないだろうか?
あちこちに飛び交う「◯◯を食べるだけで、みるみる健康に」や「✕✕を摂取してはいけない」という玉石混淆の情報群。
人間にはそれぞれ個体差があるという前提を思い出し、もう一度食事を見つめていく必要性を痛感する。
一冊を通して感じる、著者の子どもたちに対する温かい目線も心地よい。
次に読む本
『給食の謎』著者:松丸奨
現役の学校栄養士で給食マニアである著者が、学校給食の舞台裏や緻密な栄養管理・衛生管理から、給食の歴史とその変容までを解説する一冊。
単なる仕事紹介に留まらず、海外での給食への考え方や政治的に問題となったメニューの話や給食費の使い方を扱うなど幅広い。
章の間には、著者の給食に対する情熱の溢れたコラムなどもある。

学生時代、誰しもが食べたはずなのに、詳しく知らないことが多い「給食」。
その給食に対して凄まじいほどの情熱を持った著者が、楽しい文章で解りやすく語り尽くした一冊。
読み進めれば進めるほど、この給食という文化が日本で崩壊することなく続いていることが奇跡的だとすら感じさせる。
子どもたちに必要な栄養素を、どれだけ一食の中に盛り込めるかを気の遠くなるような計算を重ね続けて、食中毒の危険性を極力ゼロに近づけ、おいしい給食を目指していく。
学生時代が終わって何十年も経つが、あの給食への感謝が今さらながらに湧いてくる。
当時は知るよしもなかった「食育」という授業であったのだと理解した。
読んでいて、とてもおもしろい本だが、著者の細やかな視点から、難しい栄養管理への決まりなども丁寧に解説されるので、物足りなさなどをまったく感じさせない。
食というものを、あらためて深く考えさせてくれる。
おススメポイント

まだまだ未熟な子どもの食を考えるのにとても良い本。
単なる栄養補給ではなく、給食とは未来ある子どもたちの学びの場であり、健康な心身を作り上げる大切な時間であることが強く響いてくる。
話が子ども中心になるのは当然だが、給食にかける著者の熱さには親世代も自分の食に「なにか過不足はないだろうか?」と考えさせられる。
子どもたちヘの愛情深さが本全体に満ちていて、説教じみていないのも良い。
時代が移り変わり『コストパフォーマンス』『タイムパフォーマンス』が重要視されるとしても、不変の価値に気づきを与えてくれる。
どちらの本も読後は食事のメニューが変化することは間違いない。
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