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「スイートホーム」著者:原田マハの次に読む本は

あらすじ

物語の舞台は、美味しいスイーツの香りと気品溢れるおしゃれなまち、神戸の西宮。

父親がパティシエを務める小さな洋菓子店”スイートホーム”の看板娘、陽皆ちゃんをめぐる個性豊かな常連客が、それぞれ主人公に入れ替わりストーリーが連なる短編集です。

どの主人公も、街中にリアルに歩いていそうな、ほのぼの明るい学生やOL、叔母さんが登場しています。

若い学生から定年を迎えた主婦世代、習い事を始めた会社員など多くの世代の方が、ふとした場面で共感できるかもしれません。

ちょっと仕事に疲れて、優しい気持ちになりたい時やおうちのカフェタイムに心地よいお供にピッタリなおやつ本です。

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ただ、いつもそこにある。

巣立ちをして、住み慣れたふるさとを離れたとしても、いつもずっと柔らかいパンの香りとほんのり温かいお腹の湯たんぽのように
ドアを開けると、張り詰めた糸が解けて心の締まりがほわっと緩む。

家に帰ると、そんな気持ちにいつもなる。

でも、このぬくもりが昔もこれからもずっと続いていくような当たり前の日常のなかでせわしなく過ごしていると、ぶつけてもまた取り戻せる、壊れてもまた直せる。

そんな甘えが脳内に膨らむことが多々ある。

近づくと見えなくて、離れると分かる温もり

掴めそうで、届きそうで、掴めない
家族の輪郭と、
伝えたい気持ち。

スイートホームをいつか大切なひととこしらえたい。
そう夢みてきたけれど、
きっといまあるスイートホームの奇跡に気づくこと。

そして、それには賞味期限があるから、こそ。
いまのHOMEで出来ること。整えるじかん

残されたひとにギフトを贈るために、いま、始めること。

ひとつ、ひとつ。地道に叶えていこうと思わせて貰いました。
神戸を舞台に、一つのケーキ屋さんが繋げる豊かで温かい繋がりから、それぞれに生まれる葛藤や愛情、スイートホームの形。

一つの小さな菓子屋からこんなにも鮮やかで温かい人間模様が広がるのか。

マハさんの想像力を掻き立てるリアルな情景描写に拍手感涙。。

いつか通ってたブックカフェで生まれてた温かくゆるい繋がりの記憶を想い出した。
きっとカフェという空間は美味しいケーキを食べられる場所でもあるけれど、そこに集う小さな優しさの繋がりが出逢いを呼んで、ひとつの家族(スイートホーム)を生み出す目には見えないコミュニティ空間としての魅力があるんだろうな。

会いたいから行く。

そんなきっかけをくれるカフェが神戸にこれからもたくさん増えてほしいし、そんな小さな菓子屋さんを応援したい。

そんなことを考えて最後の1ページをめくった。

災害で、地続きのはずだった至福が、突然跡形もなく壊れてしまう。

だからこそ、いま、目の前の至福じかんやひとの優しさに気づくこと。

おすすめなひと:
・ひとりぼっちだ、と悲しむ夜をすごしているひとや
・いまの仕事や周りの生きがいにモヤモヤしているひと

・神戸が好き、行きたい!住んでいる人
そんなすべてのひとに大好きなケーキを焼きながらのんびり読んでほしい一冊です。

次に読む本

「アイネクライネナハトムジーク」著者:伊坂幸太郎

この小説は映画化もされました。

いまは亡き名俳優が主演を務めたことで、悲しい記憶も思い起こされますが、映画を観られた方は改めて、演技を思い出しながら、小説で自分の出逢いの記憶に、想いを馳せるのも良いかもしれません。

読み終えたとき
ほんとはずっと大切だった。
かけがえのない大好きなあのひとに会いたくなる陽だまりの一冊。

そんな繋がり、出逢いの喜びと奇跡が散りばめられている。

関係ないようでいて、実はあの縁も必然であり、繋がっていた。
途切れたはずの糸が丁寧に織り重なるように、小さな出逢いの物語がひとつの織物になるような、静かで、優しい涙が込み上げてくる短編集です。

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この小説で語られる繋がりのように、出逢わなきゃ良かった、と強く思った縁もありましたが、時を経て数ある経験を糧にできたとき、どんな小さな縁にも、意味があり愛おしく思うことができたなら、きっとこの不安定な世界でももっと生きやすくなれるのかもしれません。

この小説で足元に転がる無数の奇跡に気づかせてもらいました。

今日は、出かける街で、誰に出逢えるだろうか。
あなたが、今日、会いたいひとは誰ですか?

おススメポイント

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それぞれの登場人物が、主人公視点で入れ替わり、語られる小さなエピソードが詰まった短篇集であることと、ひとりの主人公がそれぞれの章で、繋がりがあり、完結しているようで読み終えるとひとつの大きな物語であるように感じられるほのぼの小説として、この二つはとても似ていたため、選びました。
出逢いや縁、家族愛や小さな日常の奇跡を切り取るほっこりテーマとしても重なるところが多く、読み比べてどちらが好きか、読書仲間と感想を語り合うのも楽しそうです^^

最後に余談ですが、
どちらも、数あるベストセラーを生み出している名作家ですが、男性目線と女性目線で、切り取る視点が違う場面もあるかもしれません。

好きなパートナーと感想の違いを比べてみると、新たな発見もある?かもです。

皆さんはどちらがお好みでしょうか(^^)

この記事を書いた人

honno-akari

honno-akari

数年前ライターになり、一年ほどチームで執筆行う。
読書とブックカフェ巡り、古書店をこよなく愛する。
季節を感じながら走ることも好きです。

30代
海辺でのんびりおうちリノベ暮らしが夢。
読書の魅力に目覚めて、少しでも作家さんの著書と待っている読者のニーズのマッチングに貢献できれば本望です。

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