あらすじ
著者は大手生命保険会社の営業として2年半勤務。その実体験を余すことなく詳細に伝えるノンフィクション小説。
キラキラとした営業職員、充実した福利厚生、大手会社の正社員と一見華やかに見えた大手生命保険会社に足を踏み入れた筆者であったが、周囲からのセクハラやパワハラ、悪化していく友人関係、毎月押し寄せるノルマの重圧。
「生保レディ」という漠然としたイメージが先行している生命保険会社の営業の旧態依然とした実態と生保レディとして勤務した筆者の苦悩と心境の変化を知ることができる1冊。
実際に生命保険会社で働いている私としては、多少の脚色はあるのではないかと感じたものの、自分が目の当たりにした景色に似た表現もたくさんあり、共感を覚えることができました。
3年神話(1度勤めた会社に3年も勤務できない人間は転職の際に不利にはたらくといわれる神話)に固執し、自分には保険会社に不適合とわかっていながら、必死にしがみつき、パンクしてしまう筆者の姿に悲しみを感じるとともに、「逃げる勇気」の必要さを痛感しました。
次に読む本
死ぬこと以外かすり傷(箕輪厚介)
書籍名の通り、筆者は死ぬこと以外は「かすり傷」に過ぎないということを伝える。
本書では、自身のチャレンジや失敗した経験をもとに、逆境を乗り越えるための心の持ち方や行動パターンを紹介し、我々読者に前向きな考え方を促す。著者の前向きな姿勢とエネルギーが溢れ、困難な状況に直面した際に勇気づけられる1冊。
失敗を恐れチャレンジせず、周囲の目を気にして途中で諦めることが苦手な私にとって非常に強い影響を与えた1冊です。会社で大きな失敗を犯した私が人生のどん底にいるような雰囲気の際に友人が本書を勧めてくれ、自分の失敗など大きな視点で考えたら、大したことないと思うことができました。今でもこの本で学んだことを心に刻み、失敗を恐れずチャレンジすることができています。
おススメポイント
『気がつけば生保レディで地獄みた。』では、主人公である著者が3年神話に縛られなかなか退職を決断できず、追い込まれ疲弊していく姿が描写されている。その際に、「退職することなど長い人生で考えたら大したことない」と思うことができたら、追い込まれていくことはなかっただろう。ただ、多くの日本人はそのように考えることができないのではないかと思う。ぜひ『気がつけば生保レディで地獄みた。』で筆者に共感ができた方に『死ぬこと以外かすり傷』を読んでほしいと思う。
コメントを残す