日田夏物語 岩橋秀喜の次に読む本

あらすじ

昭和44年、岐阜大学工学部に通う1年生・広瀬創造。
夏休みに鳥取県行きの夜行バス内で働くアルバイトを活用して、実家のある大分県日田市へ帰省する。
同級生や担任教諭と再会し、懐かしい思い出や風景と文化に触れる一方で、羨ましさや焦りを感じる。
自分よりも先に運転免許を取得し車を手に入れた社会人の友人、
自分はまだ未経験の恋愛をしている友人たち、
大きなビジョンを持って働くその知人たちが、自分よりも一歩先行くような気がするのである。
そこに大学の友人・柴田も加わり、大人になる一歩手前の夏、青春の夏を過ごす物語。

みほ

いわゆる「モラトリアム」真っ只中の主人公です。

いつの時代でも、社会に出るまでの「モラトリアム」は共通しているのだなと思いました。

「色んなことに挑戦したいという欲求が溜まっていた」「このまま無計画に2ヶ月を過ごすのにも抵抗があった」、大学受験を終えてから大学1年生の夏が始まるまでの主人公の気持ちは、身に覚えがあり強く共感しました。

1人暮らしも含め新しいことが何でも輝いて見え、未来に向かって悩みながら1つひとつ挑戦・経験し取得していくこの頃が、今の私にはキラキラして見えて、少し羨ましく思いました。

そんな青春にタイムスリップさせてくれる物語です。

また、その青春や帰省して感じる焦りなどは、自分の生まれ育った地域と一人暮らし先でしか体験がありません。モラトリアムはどこの地域にも存在します。風景や文化とともにほかの地域の青春を見られるのも、物語ならではであり、楽しめるポイントだと思いました。

次に読む本

クローバー 島本理生

主人公の冬冶(トウジ)は、双子の姉・華子と東京で2人暮らしをしながら、別々の大学に通っている。
恋愛に積極的な華子と、物理の勉強が好きだが恋愛はやや避け気味の冬冶。
華子に猛アタックする年上公務員の熊野さん、冬治に恋をする真面目だが挙動不審で垢抜けていない同学部の雪村さんが登場し、ともに変化していく。
恋愛、進路に悩みながら、もがいて前に進んでいく物語。

みほ

恋愛と進路をメインにモラトリアムを脱出する主人公です。ほかにも、アルバイト、合コン、学食、研究、実家‥などのワードや、容姿へのコンプレックスとそれをカバーするヘアメイク、友人とゆっくり映画を見る時間、飲み会のシーンなどの場面が、大学生らしく、あちこちに散りばめられています。

また、過去、恋愛のトラウマ、家族関係も出てきて、そういったものを見つめ直して消化する作業も、社会人に出る前に必要で、身に覚えがあります。

自身の大学生活を思い出させてくれるので好きな作品です。

みほ

つながりは、「モラトリアム」です。

どちらも大学生の物語です。

日田夏物語は昭和44年、クローバーは初版が2007年で物語内でみんなが携帯電話を使っているので平成の中盤から後半。

時代は違いますが、同じ「モラトリアム」「社会に出るまでの青春」を楽しめるので選考いたしました。

また、物語に大きな影響はありませんが、どちらにも、「喫茶店」「コーヒー」「ファッション」と、個人的に好きなものが出てくるところも共通していて好きです。

この記事を書いた人

みほ

関東地方に住む、20代の社会人女性です。
読むのは月に1、2冊ですが読書が好きです。
仕事で疲れたり、考えがまとまらないときに小説(電子よりも紙媒体が好き)を読むと、
スッと頭と気持ちが落ち着くこと。
共感したり違う世界を見られたりすることが楽しいこと。
それが読書を好きな理由です。
島本理生さん、有川浩さんが特に好きですが、雑多に読みます。

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