「ダメな自分」でも武器になる  ~森 泰輝著の次に読む本

あらすじ

苦手なことを克服する努力はせず、得意分野を伸ばすことを意識しましょう。自分が得意なことは無理なく続けられますし、それに注力することで一定の成功が得られるからです。まずは自分の持ち味を探すことから始めます。自分は何ができるか?なかなか見えにくいことですが、ポイントは自分が興味が湧くことです。興味がないとイメージが出来ず、イメージ出来ないことは実現出来ません。成功イメージが湧かないと成功ルートを描けません。

もしふと気がついたらやってることがあれば、それは「最強の強み」となります。自分の強みがわかれば自己の魅力をコンテンツ化できます。

これからの時代には必要な2つの努力があると著者は言います。1つ目は「自分を知る努力」 2つ目は「自分が活きる場所を探す努力」です。ついやってしまうこと、ふと調べていること、何度もチェックしていること、他人がなぜ出来ないと思うこと、他人に感謝されたこと。これらが自己分析のヒントになります。そしてその得意を活かす分野で自己ポジションを確立させるのです。
自分の才能を発揮するには「早いうちに失敗する(経験する)」しかありません。失敗はその人の糧になるので若いうちから失敗を恐れず挑戦しましょう。大きなリターンは挑戦というリスクをとった後しか得られません。

ようかん◎
ようかん◎

自己分析では、つい周囲の出来る人と比較して、自分の出来ないことばかり見てしまう傾向があります。そして自分はダメなやつだと考えてしまう、これでは自己肯定感は壊れます。苦手な部分はどんなに頑張っても平均程度までしか上げられないので、苦手克服よりも得意なことを伸ばしたほうがずっと良いですし継続できます。苦手なことは興味が低く長続きしません。

大人になると人生は学校成績のような全てを平均点以上をとることは出来ないので、苦手は人に任せ、得意分野に注力することが上手な生き方です。得意なことを発揮できる環境に身をおくことも成功への近道になります。自分の好きなことを活かせる分野で世の中に貢献できれば最高です。

次に読む本

図解ポケット ドラッカー経営がよくわかる本 ~藤屋 伸二著

2018年発行とやや古いですが「経営学の神様」のドラッカーの要約本をお薦めします。

ドラッカーは、事業の目的は「顧客の創造」であり、強みが事業である。そして強みを活かすためには事業戦略が必要としています。
「ナンバーワン、オンリーワン」になると特定顧客から支持は高まり、利幅が取れる可能性はアップするので、中小企業は強みのある分野に集中的に取り組む以外に方法はありません。

「強み」とは

①普通にできること
②競合よりも上手に出来ること
③自社より強い相手とは戦わないこと。戦わずにすむ市場へ行くこと、戦わなくてもよい市場を作ること。
④人がやりたがらない仕事をすること。
⑤できることを継続してもっと出来るようになること。
⑥選んだものに集中(徹底)すること。

としています。経営戦略の目的は「特定の顧客のなくてはならない存在」になることであり、代替可能な存在では利益がとれません。「この領域では負けない」といえる市場を探す「選択と集中」が重要です。事業は、進出が目的では無く、進出した市場で貢献し続けることが目的です。自社を取り巻く環境にどのような問題があり、その問題解決としてどのようなニーズがあるかを知ることが、ビジネスチャンスになります。どのニーズに応えたいか明らかにするのが、「事業目的」です。市場規模に関わらず、その市場で何らかのリーダーになることが利益を上げる必須条件です。戦わずして勝つ独自化、あるいは何かの特長をもって戦う差別化を図る以外に勝ち残る方法はありません。

ようかん◎
ようかん◎

経営戦略は事業活動の基本となる判断基準ですが、多くの企業が有効な経営戦略を持っていません。あるいはせっかく作っても実現するための活動に取り組んでいなかったり、目先の問題を処理するために全エネルギーを注ぎ込んでいます。自社を取り巻く環境にどのような問題があり、その問題解決としてどのようなニーズがあるかを将来を見越して知ることは重要で、次のビジネスチャンスになります。そのためには、まずは「自社の強み」を知ることが最重要であると感じました。その上で、販売市場を決め、顧客ニーズに合う商品を探る。新規販売活動時でのマーケティングにおいては市場調査による外的要因を探ることを優先に考えがちでしたが、リーダーがまずすべきことは内的要因の把握であることに気づけました。

ようかん◎
ようかん◎

目的達成のための戦略を立てるには、まずは自己や自社の強みを知り、それを活かす方法をとることが最善であることが理解できました。自己分析で、強みや、関心事、得意なことを把握でき、それらを伸ばすことが、独自性や差別化になります。

中小企業は人材が限られているので、苦手なことを解決できる余力がありません。個人も同じで、苦手なことは外部へ任せ、得意分野に集中するほうが、顧客のニーズに対し深く対応することができます。

ニッチ分野で差別化を図る企業はいずれも得意分野だけで経営しています。得意分野への集中することは、企業に限らず個人においても当てはまる考え方だと両書を通じて感じることができました。




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