あらすじ
偶然知り合った、学生5人の就職活動の様子を描いています。自分たちで「就活対策本部」を設けて定期的に集まることで、就活に関する情報交換や互いに意識を高めていた5人。しかし、SNSをきっかけに人間関係が変化していき、、、というストーリー。主人公は就活を通して、自分が「何者」かを模索していきます。
就活を通して見え隠れする、人間のドロドロとした部分の表現が面白いです。主人公はサークルで演劇の脚本を作っているという設定ですが、この小説自体、大部分がセリフやつぶやき(SNS)で構成されており、まるで脚本を読んでいるかのようでした。就活に限らず、面接やプレゼン等で自分ではない「何者」かを演じたことがある人には、心に響く作品です。
次に読む本
就活に悩んでいる人におすすめなのが、この本。私は社会人になってから読んだのですが、もっと若い時にこの本に出会えていたらな、と思うほど。人生に希望の光が見えてくるような、ストレートでキラキラした内容が印象的な本です。
「手紙屋」(喜多川泰)
就活に出遅れ、将来について悩む大学四年生の「僕」は、とあるカフェで「手紙屋」の広告と出会う。それは、たった10通の手紙をやりとりすることで夢を実現させてくれるというものだった。。。平凡な人生を変えたいと願う主人公と共に、働くことの意味を見つめ直すことが出来るストーリーです。
『何者』そして『「手紙屋」』も就職活動に関するストーリーですが、180度違う印象を受ける2冊です。就職は人生の中の一つのイベントに過ぎませんが、重要なのは自分なりの答えを見つけること、アイデンティティを確立することだと思います。それが難しいのですが、紹介した順番で本を読めば、何かしらのヒントが見つかるはずです。ただ何となく就活をする、人生を過ごすのはもったいないですからね。
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