あらすじ
母親の仕事の関係で、村にやってきた少年・淳史は、妖怪が好きだった。
そんな彼が豆腐小僧を思い浮かべたらなんと! 豆腐小僧がそこに「湧いて」しまったのである。
しかもそのあと、淳史は何者かに誘拐されてしまった!
人間同士の緊迫した会話と妖怪同士のふざけた会話が交互に繰り出される中、果たして淳史は無事に救出されるのか?
そして、「湧いて」しまった豆腐小僧は、無事に消えることができるのか!?
豆腐小僧の成長がストーリーの主な部分ですが、さまざまな妖怪が登場するため妖怪にも詳しくなりますし、なにより会話が面白くてつい「ふふっ」と笑ってしまいます。また、妖怪や死神が登場する「狂言」や「落語」も収録されているので、メインストーリー以外も楽しめます。可愛い豆腐小僧と可笑しな妖怪の世界を堪能できる1冊です。
次に読む本
「妖怪」という繋がりで選びました。
姑獲鳥の夏(京極夏彦)
「二十箇月の間妊娠している妊婦がいる」。
小説家の関口は、古本屋を営んでいる友人、中禅寺にそのような話を持ち込んだ。
中禅寺には陰陽師のような力があるらしい。そう聞いていた関口だったが、しかし中禅寺は乗り気ではない。
妖怪「姑獲鳥」の話や仮想現実の話を中禅寺から聞いた関口は、友人の探偵とともに調査に乗り出すと、今度は「男の密室失踪事件」が舞い込んできて……。
事件の真相は、怪異か? はたまた人為的なものか?
紐解かれていく物語は、衝撃の結末を迎えるーー。
「豆腐小僧」は楽しい妖怪たち。「姑獲鳥の夏」は妖怪の話だけでなく、練り込まれたミステリーが楽しめます。「豆腐小僧」でひとしきり笑ったあとは、妖怪話が出てくるおぞましいミステリー小説でゾッとしてください。また、「姑獲鳥の夏」は「百鬼夜行」というシリーズの第1弾ですので、読了後は百鬼夜行シリーズを読み進めたくなりますよ。
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