SF設定を生かした本格ミステリー。第29回鮎川哲也賞受賞作。
あらすじ
加茂(主人公)の妻は、祖先の呪いで瀕死状態。加茂は、 死野の惨劇と呼ばれる、 過去の連続殺人事件の真相を解明するため、1960年にタイムトラベルする。殺人事件の起きる直前にタイムトラベルするはずが、既に2人が殺されていた。
クローズドサークル(外と連絡の取れない閉ざされた空間)、 不可能犯罪、見立て殺人、読者への挑戦状と、いかにも本格ミステリーらしい作品。そこにタイムトラベルというSF要素をうまく絡めている。
水野
マイスター・ホラ(ミヒャエル・エンデのモモに出てくる)は加茂に金のメガネを貸してくれませんでしたが、頑張れば自力で謎解きできる作品です。
謎解きに関するネタバレ
SF特殊設定も謎解きに関わってきますが、SFルールはきちんと説明されており、フェアなミステリーとなっています。
次に読む本
虎よ、虎よ!(アルフレッド・ベスター)
宇宙船が破壊され、一人生き残った主人公ガリー・フォイル。味方の船が近くを通りかかるも、救助してもらえなかった。フォイルは恨み・怒りを募らせ、自分を見殺しにした奴へ復讐を企てる。
水野
時空旅行者の砂時計で、竜泉文香が読んでいた本が「虎よ、虎よ!」でした。文香が特殊な状況(加茂がタイムトラベルしてきた)をすんなりと受け入れたのは、ベスターの本を読んでいたからかもしれませんね。
コメントを残す