1月14日に読む本は、点と線(松本清張)

会社経営の安田辰郎は、鎌倉で療養している妻亮子を電車で尋ねる。女中のとみ子と八重子に東京駅まで見送りに来てもらう。その時、女中のお時さんが若い男性と博多行き寝台特急「あさかぜ」に乗るのを目撃する。

1月14日は

お時さんが若い男性と「あさかぜ」に乗車した日

1月20日には、博多で、役人の佐山憲一とお時さんの死体が発見される。二人とも青酸カリを飲んで死んでいた。

状況からは、男女二人の心中の可能性が高くみえた。しかし、調べてみると、鎌倉方面の電車が発着するプラットフォームから、寝台特急あさかぜが見えるのは、わずか4分しかない。この4分は、偶然なのか、それとも、安田が意図したものなのだろうか。

安田がうまく工夫してお時さんを目撃させたのですが、「4分」が作為的だと気付いた警察は素晴らしいですね。

安田はお時さんと佐山が一緒にいるところを目撃させることで、二人の関係を誤認させようと誘導したのだった。心中事件と思われていた事件の真相が明らかになる。

先入観により、いったん間違ってしまうと、なかなか抜け出せないんだな、と実感させられました。読み終わって、タイトルの見事さに納得です。




この記事を応援する


Stripeで決済します。カード番号を入力してください。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


「自動計算」へのリンク