「存在のすべてを」(塩谷武志)の次に読む本は

あらすじ

 誘拐事件が発生し、身代金の受け渡しに失敗した警察は真犯人を捕り逃し子供は行方知れずとなる。だかその3年後子供は何事もなかったように突然帰ってくる。
 何も語らない少年を前に警察はなすすべもなく事件は時効を迎えるが、ある人気画家がかつて誘拐に巻き込まれた少年であるという衝撃のニュースが明るみに出たことで、時計の針が再び動き始める。
 警察の悔恨の思いを託された編集員は絵画を元に過去を遡り、空白の3年間を明らかにしていく。

Doraの読書

前代未聞の2件同時誘拐事件。
スリリングでスピーディーな流れに、
これは「警察ものか?」と思いきや、
新聞記者が登場し過去の誘拐事件の真相を調べ始める。そして話は画商、画家のドロドロした世界に食い込んでゆく。禍根と執念、権力と醜態、そこに静謐な絵の美しさと純粋さが入り混じる。無償の愛情から継承が生まれるのだと感じた時
タイトル「存在のすべてを」の意味するところに気がついた。
絵画の描写を目で追いながら、その追憶の写実画を見てみたいと思った。

次に読む本

「たゆたえども沈まず」(原田マハ)

実在した人物や史実を元に、ゴッホと
その弟テオの数奇な運命を辿る。

Doraの読書

20世紀初頭のフランスパリを舞台に、売れない画家の兄と、絵を売る画商で働きながら、雇われの身の為兄の絵を売ることができない弟。兄が亡くなった一年後に弟も亡くなる史実が示す、他人には分からない兄弟の繋がり。
ゴッホの名画一つ一つの制作背景を
ストーリーを辿りながら知ることができる。好奇心が揺さぶられ、読んで良かったと思える一冊。

おススメポイント

Doraの読書

史実を元にして絵画の世界を描く作品は多くあるが、原田マハさんの本は非常に面白くて惹きつけられる。
「存在のすべてを」で描かれる作中の中で、もし絵画の世界に興味を持ったなら、18世紀末という時代背景か違うが、リアルな絵画の世界を堪能できる本書はお勧めだ。




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