あらすじ
1984年に発行された本で、入門と書いているが、地政学を生んだマッキンダー、ハウスホーファーの理論を中心に書かれている。
マッキンダーの理論とは、東欧を制する者はハートランド(ユーラシア大陸)を制する、ハートランドを制する者は世界を制する、という理論である。
ハウスホーファーの理論とは、ドイツ論、日本論があるなかで、後者について満州のみの征服にとどめてそれ以上領土を広げないよう言及している。
ロシアウクライナ戦争で再び地政学が流行ってきており、そのはしりと言えるのが本著である。
マッキンダーの理論は1900年代に作られ、実際に東欧で2度の世界大戦が起こったことから、いかに優れた理論であるかを感じることができる。
次に読む本
戦略的思考とは何か(岡崎久彦)
作者は主に外交官として働いており、文藝春秋で連載されたものを1983年に中公新書で出版している。古くは元寇から日清戦争、日露戦争、2つの世界大戦から当時の冷戦に至るまでの日本の軍事戦略、外交戦略を説明している。
元寇から冷戦に至るまでの日本の思想や今後どのように振る舞えばいいか、について言及している。特に印象的だったのは、日本は島国であること、韓国がバッファーであること、中国は周辺の国を占領した歴史がないことから、戦略に乏しい。そのため、戦略を考えることはなく、特攻など精神論に走りがちなことである。
おススメポイント
近年のロシアウクライナ戦争を鑑み、日本はどうあるべきかを昔の2冊の名著から学んでほしい。『地政学入門』で地政学、政治、外交の理論を学んだあと、歴史を踏まえた実践的な内容を『戦略的思考とは何か』で学ぶことができる。
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